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宿研通信 8月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、たった3坪の繁盛店「モノレール・エスプレッソ」をご紹介します。

今月のビジネス モノレール・エスプレッソに学ぶ

たった3坪で30年間続いてきたシアトルのコーヒーショップ

スターバックスコーヒーやタリーズコーヒーなど、
世界的に有名なコーヒーチェーン店の発祥地であるシアトル。
そんなシアトルには、数多くのコーヒーショップが展開しています。
今回ご紹介する「モノレール・エスプレッソ」は、
その中においても、日々行列のできる繁盛店です。
 
お店の大きさは3坪。カウンターのみの造りになっていて、
シアトルで30年間、単独店で営業を続けています。
年間の売り上げは2500万~3000万円。
平均単価はおよそ220円なので、1日に350人~400人の来客があるということ。
なぜ、この小さなお店は30年もの間、多くの人々から選ばれ続けているのでしょうか?

モノレール・エスプレッソ  
 
お客さまの好みを知った上での上質なサービス

「モノレール・エスプレッソ」は、通常のカフェよりもコーヒーの種類は少なく、
食事もオリジナルのクッキー程度と、品揃えは決して豊富ではありません。
その代わり、スタッフがお客さまとのコミュニケーションをとても大切にしていて、
彼らの好みを熟知したうえでのサービスを徹底しているのです。
それは、あるお客さまの足音がしただけで、
飲み物をつくり始めるなんてエピソードがある程です。
 
チェーン店では、高い頻度でアルバイトのスタッフが交代してしまいます。
お客さまの好みをわかっているスタッフは多くなく、
そのため常連のお客さまでも毎回同じ要求をしなくてはいけないことがしばしば。
 
それと比べると、「モノレール・エスプレッソ」のサービスが、
どれほどお客さまにとって心地よいかわかるでしょう。

モノレール・エスプレッソ  
 
提供するのは商品ではないという考え方

カウンターごしにスタッフと会話するのも、常連客の楽しみのひとつ。
スタッフもまた、お客さまとのコミュニケーションを楽しんでいます。
お客さまとスタッフの間に、ちょっとしたwin-winの関係が築かれているというわけです。
 
「コーヒーを提供しているのではなく、こうしたちょっとした幸せをプレゼントしている」と、
オーナーのチャック・ビーク氏は言います。
これが、「モノレール・エスプレッソ」が存在する理由であり、チェーン展開をしない理由なのです。

“かゆいところに手が届くサービス”と“お客さまとのいい関係”。
多くの宿泊施設の中で、他の施設よりもひとつ上に行くために必要なのは、
風変わりなサービスでも、大規模なチェーン展開でもなく、
こういったお客さま第一主義の徹底なのではないでしょうか。

モノレール・エスプレッソ  
 
 
 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。