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宿研通信 9月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、120年の歴史を誇る帝国ホテルの選ばれ続ける理由をご紹介します。

今月のビジネス 帝国ホテルに学ぶ

広告キャッチコピーに見る、
帝国ホテルのサービス

このコーナーでは通常、選ばれるビジネスの秘訣を
「他業種の事例」を通じてご紹介していますが、
今回は趣向を変えて、みなさんと同業種である帝国ホテルの事例を
取り上げてみようと思います。

「ポケットマネーは、一万円。」

これは、帝国ホテルが『文芸春秋』にシリーズ広告として展開していた
キャッチコピーのひとつです。
広告の本文を読むと、帝国ホテルのサービスの質が分かるようになっています。

ここで問題です。
このキャッチコピーは何を言わんとしているのでしょう?
答えは“ドアマン”に関係する何かです。

正解は、帝国ホテルのドアマンは、
常に一万円札をくずせる金額をポケットに入れています、ということ。

では、次の問題です。このキャッチコピーは何を表しているのでしょうか。

「紙クズは、もう一泊します。」

これは、メモをした紙をクズかごに捨ててしまったので探して欲しい、という
お客さまからの問い合わせにも対応できるよう、
ゴミはすぐに処理せずに、一日ほど保管しているということ。

それでは、これはどうでしょう。

「花嫁の力水。」

これは難しいかもしれませんね。
帝国ホテルで結婚式を挙げる人は多いですが、
ほとんどの花嫁は、披露宴前の写真撮影や緊張感で疲れきった状態になります。

そこで、披露宴会場へ入場する前の花嫁に、
コップに水を入れて「のどを潤してください」と差し出すのです。

 
 
相乗効果を生む、
「さすが帝国ホテル推進活動」

ここまで帝国ホテルのユニークな広告をいくつか挙げましたが、
特に私が帝国ホテルマニアということではありません。

先日とある集まりで、帝国ホテルの社長の話を聞く機会があり
広告の話もその時に聞いたのです。

その話を聞いたときにもうひとつ面白いと思ったのが、
「さすが帝国ホテル推進活動」というスタッフの活性化施策です。

これは、お客さまを感動させたスタッフを表彰するという制度で、
この制度があることで、スタッフのモチベーションも上がり、
ひいては、お客さまの満足度向上に繋がるというもの。

 
 
一流ホテルでも、
名前だけに頼っていては選ばれない時代

帝国ホテルは120年もの歴史をもつ老舗ですが、
その名前に頼らず、今も一流のサービスを展開しています。
これらの帝国ホテルの活動は、
すべてよい結果を生む、“相乗効果”を意識していると言えるでしょう。

「さすが帝国ホテル推進活動」は、まさに相乗効果を起こすための施策。
いまや名前に頼るだけの集客や、システマチックなサービスだけでは、
選ばれない時代です。

120年という長い歴史をもつ帝国ホテルであれ、いや、だからこそ、
名前に頼らない、常に工夫にあふれた施策を展開しているのです。

この厳しい時代では、余裕がなくても相乗効果を生む努力をしている、ということが
ライバルとの差になり、選ばれる理由となるのです。

 
 
 
 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。