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宿研通信 5月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は全国にレストランを展開している平田牧場をご紹介します。

今月のビジネス 平田牧場の決断力に学ぶ

“流通を開拓する”という
大きな選択

おいしさと安全性を追求した“三元豚(さんげんとん)”。
健康に育ち、かつ多くの豚が生まれてくるこの豚をつくった平田牧場は、
生産と流通を一体化させた展開をしています。

今回、山形へ行く機会があったので平田牧場のレストランへ行ってみました。
いただいたのはロースカツ。
肉の味がしっかりしていて、おいしい!
新田嘉一会長が試行錯誤してたどり着いた肉だということが伝わってきました。

カツによっては途中で飽きてしまったり、場合によっては残してしまったりするのですが、
そこのロースカツは柔らかくてサクッと食べられたのです。

味は申し分ないとして、では繁盛度はというと…。
私が行った11時50分頃で既に列ができていました。
おそらく、11時過ぎくらいからお客さまが入り始め、
12時前後に2回転目に入ろうかというところでしょうか。
なかなかの繁盛ぶりです。  

平田牧場
平田牧場

 

平田牧場がレストラン展開を始めた背景には、
かつてなかなかよい物流を
確保できなかったという背景があります。


新田嘉一会長が時間と手間をかけて、3品種を掛け合わせて生み出した“平牧三元豚”。
売上の9割を占める大手流通企業との関係がうまく行かず、
経営も危うい状況になったのを見て
新田会長はその企業と手を切る決断を下しました。

大手流通業のなすがままにされていると、生産者が疲弊し、
存在理由がなくなってしまうと考えたからです。

この大きな決断があったからこそ、
今の繁盛店があります。

ここまで行き着いた理由は、もちろん
おいしい豚をつくったことにあるでしょう。
しかし、それだけではなく、流通を自分たちで
つくろうとしたことにもあります。


平牧三元豚の味や、試行錯誤して行き着いた価値を
わかってもらえる流通が必要と考え、
結果、自社経営のレストラン展開というところに
行き着いたのです。

しかし、レストランをつくっただけで
うまくいくわけではありません。
味はもちろんのこと、インテリアや雰囲気、
サービスなども関わってきます。

このように、いくつかのポイントをクリアして、
はじめて繁盛店はできあがります。

それまで養豚業をしてきた平田牧場にとって、
このレストラン展開は大変だったはずです。
しかし、平田牧場の未来のことを考えると、
一度大きなリスクを体験しただけに、
自社流通の開拓は至上命題だったのでしょう。

やはり、これからのビジネスは一気通貫しないと
なかなかうまくいかないのかもしれません。

平田牧場

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。