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宿研通信 10月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、埼玉にあるお肉の理想郷「サイボクハム」をご紹介します。

今月のビジネス サイボクハムの道楽精神に学ぶ

仕事を楽しみ
理想を追求する姿勢が成功を呼ぶ

2時間並ぶ「高飛車」の富士急ハイランドの年間入場者数は約195万人。
その2倍、年間入場者数400万人を誇るテーマパーク「サイボクハム」をご存知でしょうか。

先日、埼玉県日高市のサイボクハムを久しぶりに訪れたところ、
休日とはいえ第一・第二駐車場は完全に埋まっていて、多くの人でごったがえしていました。
一見して、周りには農家しかないような立地条件にも関わらず、
なぜこんなにも高い集客力を持っているのでしょう。

サイボクハム
サイボクハム


もともとサイボクハムはお肉の理想郷“ミートピア”構想(ミート+ユートピア)のもと、
1946年に生まれました。
兵役から帰還した現会長であり創業者の笹崎龍雄氏によって、
豚の種付け・開発を目的に種畜牧場としてつくられましたが、
それだけでは立ち行かなくなると笹崎氏は考えたのです。

そこで、豚を育てるだけでなく、それを売っていこうと1975年から小売業を展開。
さらに豚肉だけでは…ということでドイツまでハムやソーセージの製造法を学びに行き、
ハム・ソーセージの生産、販売までの一貫体制を確立します。

さらに、「食の一貫経営」という発想で、
減農薬・無農薬の野菜や観賞用の草花類を売る広場をつくりました。
人を集めるために、豚と遊べるスペースを作り、
パークゴルフや温泉など、様々なものを作り足していきます。

豚を中心に据えつつ、食、遊び、リゾートと展開していき
サイボクハムは瞬く間に繁盛していきました。
サイボクハムをここまで育て上げたのは笹崎会長のコンセプト(理念)、
いわゆる“真・善・美”にあります。

認識論上の“真”と、倫理上の“善”と、審美上の“美”。
この3つが備わってこそ本物ということです。

会長から新入社員に向けた歓迎の言葉の中に、
「毎日の仕事は道楽で、勉強は趣味だと考えよ」という教えがあります。
仕事を大変だと思っているうちは成長できず、
楽しんで思い切りやれるようになって、初めて良い仕事ができるという考え方です。

65年間チャレンジを続けてきた笹崎氏。
これだけの成功の裏には、幾多のチャレンジの積み重ねという必然性があるのです。

仕事は道楽なんだから、思い切ってやってしまえ! という挑戦が、
型にはまらない新たな農業の形を生み出す。

そのエネルギーこそが、
サイボクハムが多くの人から選ばれる理由になっているのではないでしょうか。

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。