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宿研通信 12月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、帯広にあるパン屋「麦音」をご紹介します。

今月のビジネス 麦音のお客さま志向に学ぶ

お客さまを第一に考えた
8,000平方メートルの敷地の使い方

芝生で子どもたちが遊んでいるのを眺めながら、
若夫婦がテーブルを囲み、コーヒーを片手に家族の話に花を咲かせている。
それぞれが日向ぼっこをしながら思い思いの休日の昼下がりを楽しむ。

実はこれ、あるパン屋さんでのワンシーンなのです。
帯広に数店舗を展開しているパン屋さん、「満寿屋」。
冒頭でご紹介したのは、
帯広郊外に8,000平方メートルもの広大な敷地面積を持つ店舗「麦音(むぎおと)」の光景です。

麦音(むぎおと)


麦音は良い意味でパン屋らしからぬたたずまいで、円形の木造平屋建てのそのさまは、
まるでこだわりシェフのレストランのよう。
パン売り場にはオープンキッチンが併設され、たっぷりに並べられた様々なパンたちと、
漂う香りだけでも子どもやパン好きの大人たちにはたまらない空間になっています。

麦音(むぎおと)
麦音(むぎおと)

 

それに加え、コーヒー無料のイーティングスペースとカフェテラスに、
遊べる芝生カフェや小麦畑まであるのです。
また、優れているのは設備だけではありません。
フランス風、ドイツ風のものもあれば、
地元ならではの食材を使ったオリジナルのパンなど種類がとにかく豊富。

その挙句、8,000平方メートルという広大な敷地を有効活用しています。

 
麦音(むぎおと)
麦音(むぎおと)

 

麦音は、基本的にパンの販売でしかお金をとっていません。
これだけ店舗面積があればカフェやレストランなどを併設し、
そこでもお金を取ろうとする考えに陥りがちですが、
麦音では一切のスペースが無料で開放されているのです。


そのおかげで、麦音へはパンを買い求めに来るお客さまだけでなく、
麦音での心豊かなひとときを楽しむために来店するお客さまもたくさんいるようです。
お客さまが喜ぶ場所と時間を無償で提供する、
いわば“先義後利”の精神が麦音には感じられます。

広々とした敷地をいかに有効活用するかは試行錯誤を重ねた結果、
お客さま志向でありたいと覚悟をし、決断して今に至ったのではないでしょうか。

大胆な決断が、結果として多くの人々を引き寄せることとなるのです。

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。