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宿研通信 12月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、日清創業者 安藤百福の発明のヒミツがつまった安藤百福発明記念館、
通称「カップヌードルミュージアム」をご紹介します。

今月のビジネス カップヌードルミュージアムのクリエイティブシンキングに学ぶ

「学び」と「体験」を通して
カップヌードルを楽しむミュージアム

1.まずは、カップを自販機で買う(300円)
2.置いてあるペンで自由にカップにお絵かき
3.麺の上にカップを乗せてハンドルをまわすと、カップが回転して麺が中に入る
4.4種類からスープを選び、具材を4つ選ぶ
5.透明なフィルムで包むと、オリジナルカップヌードルが完成!
6.最後に紐のついたエアパッケージに入れてお持ち帰り

これは横浜にある「カップヌードルミュージアム」で体験できる、
オリジナルカップヌードルの作り方。
自分だけのカップヌードルを作れる楽しさに加え、体験を通して様々なことを学べました。

カップヌードルミュージアム
カップヌードルミュージアム


工程の中で、最も注目したいのは、麺の上からカップを乗せるところ。
通常、カップに麺を入れるのなら上から落とすのが正しいはずです。
しかし、麺は台形の形をしているので、
上から落とすとカップに当たり、なかなかうまく入りません。
そこで、置いてある麺にカップを被せてから回転させれば、
重力で麺はぴったりと収まるというわけです。

これはまさに“逆転の発想”。
常識を疑い、ちょっと非常識な発想をすることが、結果的に最も効率がよい方法に至るのです。

日清食品創業者の安藤百福氏は、このような考え方を通して、
様々な大ヒット商品を生み出したのだなと考えさせられます。

カップヌードルミュージアム

 

このミュージアムを手掛けたのはアートディレクターの佐藤可士和氏。
コンセプトに“クリエイティブシンキング(創造的発想力)”を掲げています。

ただ展示物を眺めるだけでなく、体験コーナーが組み込まれているのが特徴的です。
カップヌードルを改めて体験することで、
「なぜカップヌードルは生まれたのか?」という疑問がわき、
人々のカップヌードルに対する興味は膨らんでいきます。
その受け皿として、カップヌードルや
安藤百福氏の歴史に触れられるコンテンツを提供することで、
人々は「学び」と「体験」を通して楽しむことができるのです。

 
カップヌードルミュージアム
カップヌードルミュージアム

 

さらに、体験した楽しみは人に話したくなるもので、クチコミでどんどん伝わっていき、
オープンしてから3ヵ月間、連日多くの人でにぎわっているというわけです。

佐藤可士和氏の設計したコンセプト通り、
安藤百福氏の“クリエイティブシンキング”を体験の中で感じることで、
人々は単なるカップヌードルの知識に留まらない、創造性を得られるでしょう。

話に聞いたところでは、海外にもこのミュージアムを作ろうという案もあるとか。
カップヌードルミュージアムは、間違いなく、
日清食品にとって社内外への良いブランディングになっています。
というわけで、期待以上にこのミュージアムは魅力ある施設でした。
皆さまも機会があれば足を運んでみてはいかがでしょうか。
お客さまを楽しませるためのヒントが得られるかもしれません。

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。