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宿研通信 2月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、「代官山 T-SITE」をご紹介します。

代官山 T-SITEのカルチャーと非効率に学ぶ

人を惹きつける
文化的価値観を優先させた非効率

昨年の12月5日にオープンした「代官山T-SITE」は、
TSUTAYAをはじめとしたエンターテインメント事業を行っている
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)が手掛けています。

代官山にあるだけあって、そのつくりはなんとも贅を感じるもの。
2階建の3棟からなり、2階から別の棟へ行くこともできます。
1階は雑誌や人文・文学、アートや料理、建築など、幅広いジャンルの本を取り扱い、
2階は1号館が映画、3号館は音楽がテーマとなっています。

代官山T-SITE
代官山T-SITE


特に2号館にある雑誌とアートに囲まれたラウンジには、私もつい長居してしまいました。
そこには懐かしの雑誌が創刊号から取り揃えてあり、ソファに座って読むことができます。
美味しいお茶を飲みながら、懐かしい雑誌を読むのは非常に趣きのある時間でした。

このラウンジは施設のちょうど真ん中にあるので、
そこから訪れるお客さまの客層や目的が垣間見えてきました。
若いカップルなどは、ソファには座らず、歩きながら興味津々に店内を見回ります。
そして私のような年代の人はソファにゆっくりと身を沈め、
懐かしい雑誌のコレクションに夢中のようでした。

ここは全体が“カルチャーと非効率”という一つのコンセプトでつくられています。
嗜好性の高いジャンルを取り揃えることで、そこに文化を感じることができるのです。
そして、非常にゆったりとした雰囲気のつくりは、お客さまが楽しめることを大切にしていました。

ついついお客さまの回転数や売り上げ、利益ばかりに気を取られてしまいますが、
それでは本当の意味でお客さまを満足させ、信頼を得ることはできません。

とにかく“非効率”で成り立っていて、いろんなところにこだわりを盛り込んでいるからこそ、
普段物足りなさを感じている人々にとっては興味のある空間になっているのではないでしょうか。

こういった、文化的な価値観を優先させる“非効率”こそが、
これからの時代の人の心を掴むビジネスを生みだせるのです。

代官山T-SITE

 

日々の忙しさを感じさせない、ゆったりとした空間の中で、
自分の価値観や過去の記憶と向き合うことができ、
ゆっくり時間を楽しむことができるこの代官山T-SITE。
私にとっては魅力的で、また行きたくなるスポットでした。

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。