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宿研通信 3月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、京都に店を構える老舗織物店「永樂屋」をご紹介します。

永樂屋の革新力に学ぶ

大人気の老舗和菓子店とらや。
あのとらやでさえ、創業から今にいたるまで“革新”の連続だったといいます。
言い換えてみれば、革新を続けていかなければ、新しい時代には対応できず、
生き残っていけないということではないでしょうか?

京都に、起死回生の革新を果たした手ぬぐいの老舗があります。
張り子の犬がシンボルマークの「永樂屋 細辻伊兵衛商店」です。

永樂屋
永樂屋


1615年。江戸時代初期に呉服商として創業。
昔ながらの商品を尊重し続けてきましたが、明治以降になると、
新しい時代の生活者には受け入れられなくなり、一度は
“死に体”状態まで行ってしまったといいます。

そして2000年。現在の当主、14代目 細辻伊兵衛氏は、
いかにすれば新たな時代に受け入れられ、今後も屋号を守れるのかと考えました。
その結果行き着いたのが、これまで積み重ねたものと、現代のトレンドとのコラボレーションです。

そこで目を付けたのが、永樂屋が明治〜昭和初期にかけてつくりあげた手ぬぐいの意匠です。
これを、今の人たちに求められる形に落とし込もうということで、手ぬぐいだけではなく
ハンカチやスカーフ、風呂敷、帆布鞄などのラインナップが登場しました。

永樂屋
永樂屋


商品だけでなく、店舗も人通りの少ない場所にある本店にプラスし、
観光客が行き交う四条通に出店。
すぐさま繁盛したというわけでありませんでしたが、徐々に多くの観光客の目にとまるようになり、
様々なメディアに紹介されるようになったのです。

なるほど、14代目当主になってから新たな挑戦を重ねているわけですね。

今の時代、老舗が生き残るためには
それなりの覚悟をしてのチャレンジをしない限り難しいということです。

新たな時代のニーズに合わせたものづくりに
少しずつ少しずつシフトしていくことが、老舗ブランドの永続の条件ということでしょう。

伝承すべき技術・意匠、すなわち日本の文化を次代につなげるためにも、
流通もふまえた革新的な展開をしていかなければならないのです。


そんな風に、永く続く老舗企業は日本の文化を
次代につなげる役割も担ってくれているから、ついつい応援したくなりますね。

 
コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。