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宿研通信 5月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、 陽明学を広めた儒学者、王陽明氏の「良知の発現」をご紹介します。

KITTEの空間づくりに学ぶ

自分の手を
いいことに使う

「人には本来、善を理解する力が備わっており、
仕事や日常生活での実践をきっかけに、良知を知ることができる」

陽明学を広めた儒学者、王陽明氏の“良知の発現”という考え方です。

この“良知の発現”の例を身近なところからあげるなら、
やはり“日本を美しくする会”が実践している「徹底した掃除」でしょう。

そんな“日本を美しくする会”で相談役を務める鍵山秀三郎氏は、
小学生を対象とした講演会で、子供たちにこんな2つの“お願い”をしているといいます。

1.「頭のいい人になってください」
 私の言う頭のいい人とは、計算がよくできるとか、
 漢字をよく知っているという人のことではありません。
 いつも“いいことを考える人”のことです。

 そして、“いいことを考える人”になるためには、
 自分の手を「いいこと」に使うことです。

 いいことに手を使う人は、頭でもいいことを考えるようになります。
 いいことに手を使いながら、悪いことを考える人はいません。
 人間の手と心は連動しているからです。


2.「小さな勇気を持つ人になってください」
 大きな勇気を持てと言われても、
 そんなに簡単に持つことはできません。
 しかし、小さな勇気なら、その気になりさえすれば
 いつでも誰でも持つことができます。

 例えば、「約束の時間を守る」とか
 「お母さんの手伝いをする」とか
 「信号を守る」というようなことです。
 こうした小さな勇気をいっぱい
 積み重ねていくと、やがて大きな勇気になります。

(『鍵山秀三郎の美学』より抜粋)

このように、いいことに手を使い、小さな勇気を積み重ねていくことで、
いいことを考える頭が育つ、という鍵山氏の教え。

この教えこそが、王陽明氏の言う
“良知の発現”の本質なのではないでしょうか。
そして、これからの時代を担う子供たちは勿論、
今、ビジネスに生きる大人たちにも浸透させていくべき考え方なのです。

即物的なお金やモノばかりを優先する現代のビジネスの中で、
大人たちがいつのまにか忘れてしまった
“いいことに手をつかう”という精神。

これからのビジネスは、人のためになる発想をし、
社会にとっていかにいい仕事をできるかがポイントなのです。

そのための行動や時間の使い方こそが“良知の発現”になり、
結果として、社会性のある“Good Job”につながっていくのです。

エピソードで綴る 鍵山秀三郎の美学 亀井民治

コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。