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宿研通信 7月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、 世界で初めてミドリムシの野外大量培養に成功した
「株式会社ユーグレナ」
をご紹介します。

ユーグレナの覚悟の決断
に学ぶ

僕はミドリムシで
世界を救うことに決めました。

「くだらない仕事なんて無い」。
株式会社ユーグレナの出雲充社長はそう強調しました。
彼の“くだらなくない仕事”とはミドリムシの研究と培養でした。

出雲社長は、世界で初めてミドリムシの野外大量培養に成功した方です。
ミドリムシとは、藻の仲間であり微生物の一種。
そのわずか0.05mmの小さな体の中には
53種類もの栄養素が含まれており、世界中から注目されています。

現在、ユーグレナでは大手企業の協力も得て、ミドリムシの可能性を
食・医療・燃料など様々な分野に展開し、
昨年は東証にも上場しました。

出雲社長の話を聞くと、この“くだらなくない”ミドリムシが
本当に私たちを、これからの地球を
助けてくれるような存在になるのではと思えてきます。

なぜ“ミドリムシ”だったのでしょうか。
きっかけは、学生の頃に訪れたバングラデシュにあったそうです。

今から数年前、現地の子供たちは毎日3食食べられるにもかかわらず、
栄養失調に陥っていたといいます。
それは炭水化物に偏った食事が原因だったそうです。

それを知った出雲社長は、帰国後に出会った
“ミドリムシ”の豊富な栄養素に注目。
この2つの出会いを結びつけ、栄養失調に苦しむ人たちを
救いたいと思い、研究・培養を志したのです。

しかし、そこには大きな壁がありました。
研究を始めた当時、ミドリムシには天敵も多く、
そう簡単には大量培養を実現することはできなかったのです。

多くの科学者たちがチャレンジしても突破できなかった大量培養に、
当時務めていた銀行の役職を捨ててまで
あえてチャレンジする姿を見て、
あちこちから“くだらない”を連発されたのでしょう。

だが、出雲社長は「ミドリムシで世界を救う」という
大志を持った覚悟を決め、協力してくれる人々と共に
野外培養研究に集中することを決断したといいます。


そして、ついにその努力が実を結び、
世界初の野外大量培養の成功によって
この研究が“くだらなくない”のだと世間に対し証明したのです。

 

そのミドリムシはいまや様々な食品に生かされて
市場に出まわり始めています。実は食品だけではなく、
飛行機のバイオジェット燃料となる可能性も出てきているそうです。

やはり「覚悟の決断」をしなければ
何かを成し遂げることはできない、ということ。

何度も「くだらない」と言われた研究を、
科学的な知恵と裏付けで証明した出雲社長も、
大志を持っての覚悟だからこそ成し遂げられたのです。

そしてこの覚悟がなければ、
大手企業の協力を得ることもできなかったでしょう。

自分の仕事や役割に覚悟を持って取り組む。
Good Jobは覚悟がないと実現できないということ。
私も“くだらなくない”ミドリムシに出会ってみたくなりました。

 

コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。