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宿研通信 1月号

他業種に学ぶ ビジネスコラム

コンサルタント中島セイジの、これからが見えるビジネスコラム。
今回は、株式会社日本海水をご紹介します。

日本海水の血流力に学ぶ

改革を支えてきたのは社員の“心構え”

株式会社日本海水。
製塩メーカーでは唯一国内に製造工場を持つ、
塩の製造・販売を行う会社です。
実はこの会社、数年前までは赤字会社でした。

そしてある会社に買収され、
5年後には黒字へと転換。
さらには売上げを3倍に上げて、
10%の利益を出す会社へと成長したのです。

では、5年という短い期間で
なぜ黒字へと回復できたのでしょうか。

その復活劇の中心となったのが、
買収元(エア・ウォーター株式会社)から
派遣された金澤正博社長です。

金澤社長が行ったのは、
既存事業のビジネスモデルの革新ももちろんですが、
特に注目したいのは社員の“意識改革”。

社員の仕事への意識が変われば、会社も変わる。
この信念があったからこそ、
斜陽業界といわれている製塩事業にも関わらず、
業績の回復に成功することができたのです。

その改革の主軸となったのが、“率先垂範”です。
金澤社長は、全国にある
工場や事務所を訪れ、できるかぎり朝礼や
昼礼に参加するようにしました。

その後、金澤社長を先頭に
事務所のメンバー全員で
事務所や工場を視察したそうです。

この際、メモ帳やデジカメ、
ほうきや汚れをとる布などを
一人ひとり持って視察するといいます。
これは、視察中に汚れを発見したら
すぐ清掃するためなのだそうです。

ゴミが落ちていたら拾ったり、
雑草が生えていたら抜くなど、
「自らの目で問題がないかチェックしていく」
という基本的なことを
毎回率先して行っていきました。

これを繰り返すことで、
当たり前のことを当たり前に行う風土ができ、
社員の意識にも変化が起きてきたのだそうです。

基本的なことを5年間くり返し徹底して行ったことで、
会社で働くものとしての
“構え(心構え)”ができてきたといいます。

この状態を中島流にいえば
“血流力”の向上。

会社を継続させるためには、
組織に血を通わせる必要があります。

その血流の元はそこで働く人の意識であり、
他の問題点も自ずと改革されていくのです。

この意識改革を行った
金澤社長のこだわりは“構え”だといいます。
それは、社員の心構え、
会社としての構え、
工場としての美しさの構えのこと。

まさに組織の血流力を深めるために
必要な要素なのです。

金澤社長は物流やコストといった
面でも改革を行ってきました。

しかし、その改革を支えてきたのは
社員の仕事に対する
「構え」に他ならないでしょう。

やはり組織に重要なのは
社員の意識であり、“血流力”なのです。

 

 

コンサルタント プロフィール
中島 セイジ(なかじませいじ)
株式会社クオーターバック代表取締役社長。見・投資(みとうし)コンサルタント。マーケティング及び広告 戦略を中心にプランニング活動を行い、コンサルタントとして数多くの企業を支援している。『非効率な会 社がうまくいく理由』(フォレスト出版)、『儲けないがいい』(アチーブメント出版)が好評発売中。