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食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は食の匠が「お客さまの記憶に残る料理」についてお教えします。

忘れさせない料理 飽きさせない料理

お客さまにとってどういう存在なのかを知る

こんにちは、“食の匠”大久保一彦です。
今回私がお届けする食のコラムのテーマは「お客さまの記憶に残る料理」。
さて、食事についてお話しする前に、
まず自分の宿泊施設がお客さまにとってどういう存在なのか? ということを考えてみましょう。
 
お客さまと宿泊施設の関わり方には、2通りあります。
まず、日常生活に密着した便利な宿。
もう一方は、旅行客の利用が多い宿です。
 
前者は、長いお付き合いをするために、
夫婦のように長く支えあう関係になるので、“飽きない存在”であることが大切だといえます。
逆に後者は、遠方からのお客さまの多い宿なので、
2回目以降の旅行の際に思い出してもらえる“忘れさせない存在”であることが重要。
 
自分の宿が、この2種類のどちらなのかをきちんと把握することが大切です。
それを前提に、料理も“忘れさせない料理”を目指すのか、
“飽きさせない料理”を目指すのかを考えれば、
お客さまにどんな食事を提供すればよいのか自ずと見えてきます。
 
まず、“忘れさせない料理”とは、人に話したくなるようなインパクトを持ったもの。
人に話す行為によって記憶に残るからです。
そのために、味やテーブルまわりなどの点で、忘れさせないような工夫をすることが大切です。
 
一方、“飽きさせない料理”とは、いわゆる「母の味」。レベルや内容はほどほどで良いのです。
うまい・まずいではなく、飽きずに食べられることが重要となります。
要するに味の「安定性」が売りになるのです。
 
和歌山にある居酒屋「銀平」が、
お昼の営業でこの考え方を実践しているので参考にご紹介したいと思います。
「銀平」では、コース料理が2種類あります。
初回来店を次回来店に結びつけるための「忘れられない」コースと、
訪問頻度が高いお客さまのための「飽きられない」コースを用意しています。
 
「忘れられない」コースは、
宴会シーズンにたまたま訪れたお客さまの1回きりのチャンスを活かすインパクトの強い内容、
つまり、一期一会のコースといえるでしょう。
それに対し「飽きられない」コースは、
お客さまに過度なインパクトを与えない「やはり、この店だ」と思わせるコース。
 
2つのコースを使い分けることで、より多くのお客さまに支持されているのです。
お客さまに合わせたメニュー作りで、忘れさせない料理・飽きさせない料理を提供し、
お客さまの記憶に残る宿泊施設を目指しましょう。


食の匠 プロフィール
大久保 一彦(おおくぼかずひこ)
1965年神奈川県生まれ。飲食店チェーン数社に勤務したのち、株式会社グリーンハウスフーズ(現 株式会社グリーンハウス)に入社。「とんかつ新宿さぼてん」の多店舗化を成功させる。現在は独立し、飲食店の演出家、経営コンサルタントとして数多くの飲食店を繁盛店に導いている。著書に、『「行列ができるダントツ飲食店」の秘密』(日本実業出版社)、『女性リピーターが収益を運び込む! 繁盛力』(WAVE出版)、『「現場力」で勝つ!』(柴田書店)など多数。