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宿研通信 11月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は混浴の匠が「コストカットのあるべき姿」をお教えします。

品質を落とさずにコストを削減するには

見えているコストは品質に関わるものが多く、
削るべきコストは見えない場所で生まれている。

こんにちは、“温浴の匠” 木地本朋奈です。

みなさんは集客のために何か新しい施策を始めたい…そう考えたことはありませんか?
その時に必ずついてまわるのが「投資資金についての悩み」だと思います。
そこで今回は、どうやって投資資金を捻出するかの方法をお教えします。

資金をどこから捻出するのか? と考えたとき、まず思いつくのはコストカットです。
では、どのコストを削りますか?
コストには人件費や光熱費、設備コストなど様々なコストがあります。

最もやってはいけないのが、お客さまに関わるところのコストを削ってしまうこと。
例えば、清掃業者に払うコストを減らしてしまうだとか、
シャワーのカランのお湯の勢いを減圧してしまったり、
お風呂への補給量を減らしてしまうことです。
これらの取組みでダウンするのはコストではなく品質です。

清掃業者への支払いを2割減らせば、減らした2割分衛生の品質が下がってしまいます。
湯量を減らせば、お客さまは「シャワーの水圧が弱かった」「浸かり心地がイマイチだった」と
サイレントクレーマーになってしまうでしょう。

正解は、「見えなかったムダを発見できるようにする」こと。
老朽化による見えない漏水やヒューマンエラーによるムダと、
設備機器自体の稼動効率を管理・修正することです。
ただ発見・管理しろ! と指示しても難しいため、
経営者自らが計測→管理→修正する管理会計思考(PDCA)を持ち、
具体的な方法論を構築する必要があります。
こうした本質的なコストダウンが成功すれば、今より10%程度の光熱費が削減できます。

そしてそこで出た10%を、新しいサービスの導入や衛生向上の施策に充てることで
お客さまに還元していくのがよいでしょう。
そうすれば、品質がアップしたことでまた新しいお客さまができるはずです。

長く選ばれ続ける施設は、多くがこうした良い循環の経営ができています。
お客さまに関わる“品質”を落さないコストダウンをし、
筋肉質な経営で得る利益をお客さまに還元する施策に充てる。
これがサービス業経営のあるべき姿なのです。


 
混浴の匠 プロフィール
木地本 朋奈(きじもと ともな)
1965年三重県四日市市で生まれ。1987年慶應義塾大学 法学部法律学科を卒業後、大手ディベロッ パー・外食運営会社のマネージャーを経て、1993年に「温泉・温浴施設の繁盛創出」をビジョンに持っ た株式会社トリリオンを設立。年間に200回以上、温泉・温浴施設で入浴している温浴コンサルタント の第一人者として、全国の温泉・温浴施設約200件のサポートを行っている。現在、「社団法人日本サウ ナ・スパ協会」の評議員、「社団法人関東ニュービジネス協議会」の理事に就任。