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宿研通信 1月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は看板の匠が「色を使って看板の視認性と魅力を高める方法」をお教えします。

色のイメージを利用し、施設の魅力を表現する

視認性・魅力ともに高いカラーが
集客につながる

こんにちは、“看板の匠” 小山雅明です。

前回は 「HI(Hotel Identity)店舗診断」という、
施設の魅力を明確にするためのツールをご紹介しました。
ご自身の施設の持つ魅力ははっきりと見定まりましたか?
何をアピールすればいいのかがわかった次は、その魅力をどう表していけばよいのか?
という悩みにぶつかるのではないでしょうか。

看板で施設の魅力をうったえるためには、
「フォルム」「カラー」
この2つをうまく使う必要があります。

そこで今回は、カラー、色で魅せるために必要なことをお教えしたいと思います。

色には感情がある、ということはご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
同じ色でも明るさや鮮やかさ、面積や組み合わせを変えることによって
異なる感情をひきおこすことができます。

それは性別や見る人の経験によっても、地域の文化によっても異なってくるため、
まずは色の特性についての基本を知ることが大切です。
施設のイメージを視認性とHIという両方の観点から色彩を考えていきましょう。

赤は活力や情熱、強い意志や高級感などを感じさせる色です。
ただし同じ赤でも、紫に近い赤は高級感や落ち着きを、
橙色に近い赤はカジュアル感や親近感を与えるので、
お店の客層によって色相を選ばなくてはいけません。

青は清らかさや誠実さを、黄色は暖かさや和やかさ、明るさを感じさせます。
また、黄色や橙色は視認性が高いため、
誘導表示やディスカウント・カラーとしてもよく使われます。

しかし注意したいのが、黄色を多用すると軽薄で安っぽいイメージになりがちなこと。
黄色のイメージを押し出したい場合は、
イエローオーカーのような大地の色に近づけた黄色を選ぶと視認性は下がりますが、
品のよい明るい高級感を表現することができます。

また、 色の感情的なイメージと同時に考慮したいのが、日本人の持つ「美的感性」です。
美的感性には時代によって変わるものと変わらないものがあります。
例えば、「侘び・寂び」といった美的感覚は、
奈良・平安の時代から今日まで変わらずに生き続けています。

看板も余白や余韻のあるものを美しく上品だと感じるのが日本的感性です。
ダイナミックで外にはみ出すようなアメリカ人的看板は、
発見確率はアップしますが日本人にとって魅力的かというと、そうでない場合もあるのです。

発見確率と魅力確率は掛け算で効果を発揮します。発見確率を数倍にできたとしても、
魅力確率がマイナスになってしまえば、全体の効果としてはマイナスになってしまうのです。

「発見確率を最大にしながらも、
日本人が美しいと感じる魅力確率を落さない工夫」が要求されます。
色の持つ力を最大限に駆使し、視認性の高い魅力的な看板づくりをめざしましょう。


 
看板の匠 プロフィール
小山 雅明(こやま まさあき)
1956年神奈川県生まれ。コピーライター、SPプランナー、広告代理店営業などの職を経て、1984年に 27歳でアイワ広告株式会社を起業。1993年より広告媒体の中でも、特に広告効果における費用対効果の高い看板業に事業を集中特化し、企画・デザインから制作・施工までの自社一貫体制がある。看板視認性の改善、SI(ショップ・アイデンティティ)による集客コンサルティングの第一人者として、全国で講演・セミナーを開催している。主な著書に『看板の魅力で集客力がアップする』(かんき出版)がある。