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宿研通信 2月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は温浴の匠が「見えないムダの見つけ方」をお教えします。

温浴施設の見えないムダを見つける方法

適正コストを割り出し、
ムダを発見

こんにちは、“温浴の匠” 木地本朋奈です。

コストダウンのために必要なのは
「見えないムダを発見できるようになること」
だとお伝えしました。
そこで今回は、どうやってムダを見つけるのかを詳しくご紹介します。

旅館業における、水道光熱費の比率は大体10~15%と言われています。
使用水量は、お客さまひとりあたり800~1200リットル程度が大方ですが、
みなさんは自分の施設に対して適正なコストをご存知でしょうか?

客単価・施設の規模・サービスを考えたときに、
どの程度のコストが適切か明確にわかっている方は少ないのではないでしょうか。

見えないムダは、まず適正コストを明確にすることからはじまります。

繁閑によっても適正コストは変化します。
例えば1日の宿泊人数が500名の日と50名の日があるとします。
人数に10倍も差があるのに、
電気代や使用湯量が1.5倍しか違わないなんてことがあるのではないでしょうか?
人数と水道光熱費の比に、ここまで大きな差があるのは、ちょっと問題があるかもしれません。

湯船にはる湯量は仕方がないところがありますが、
湯質を保持するために補給する湯量は、人数によってきっちり調整できます。

500名の日に50トンの補給でベストの湯質を保てているとすれば、
50名の日は多くて20トン程度でよいはずです。
もしも今50名の日に35トン補給しているとすれば、15トンもムダが出ているということ。

質を保つためにかけなくてはいけない、最低限の水道光熱費を割り出すと、
思ってもみなかったムダが見えてくることがあります。

適正コストは、専用の管理会計システムなどを使うことで割り出すことが可能です。
見えないところでムダを出し続けないように、
一度システムを使って明確にするとよいでしょう。

また、見えない場所で機械の経年劣化によるロスが起きていることもあります。
中には、しめているはずのバルブが壊れていて、
気がついたら1ヵ月で300トンも漏水していたという事例も。
みなさんの施設は大丈夫でしょうか?

最後に、前回も挙げたヒューマンエラーがあります。
人事教育を徹底し、設備管理におけるヒューマンエラーを無くすよう努めてください。

「宿泊客ひとりあたりの適正コストを明確にする」、「経年劣化をチェックする」、
「ヒューマンエラーを無くす」。この3つを実践するだけで20%は節約できます。

純利益でいえば2.5%程度改善できるはずです。
そうしてあがった分の利益を、新たなサービスなどに投資していってください。


 
温浴の匠 プロフィール
木地本 朋奈(きじもと ともな
1965年三重県四日市市で生まれ。1987年慶應義塾大学 法学部法律学科を卒業後、大手ディベロッ パー・外食運営会社のマネージャーを経て、1993年に「温泉・温浴施設の繁盛創出」をビジョンに持っ た株式会社トリリオンを設立。年間に200回以上、温泉・温浴施設で入浴している温浴コンサルタント の第一人者として、全国の温泉・温浴施設約200件のサポートを行っている。現在、「社団法人日本サウ ナ・スパ協会」の評議員、「社団法人関東ニュービジネス協議会」の理事に就任。