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宿研通信 3月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は食の匠が「閑散期のサービスで心がけるべきこと」をお教えします。

閑散期は心をつかむチャンス

いつもできないサービスが
できるチャンスだと心得る

こんにちは、“食の匠” 大久保一彦です。

長いこと営業をしていると、時にはお客さまがあまり入らない閑散期になることもあるでしょう。 そんな時の応対こそ、繁盛店かどうかが問われることをご存知ですか? こんな事例があります。

ある日曜日の13時半頃、40代前半と思しきサラリーマンが1人で来店した。
その男性はメニューを見て言った。
「今日はランチはやっていないんですか?」
アルバイトのスタッフは、
「こちらに書いてありますように、土曜、日曜日はやっていないんですよ。すいません」
と答えた。
男性は800円の丼セットを注文した。

もし、あなたがこのやり取りを見ていたらどうしますか?

繁盛店の女将なら、こうします。
食事が終わりそうになるタイミングを見計らって、
「今日はランチやってなくてすいません」と言いながら、
さりげなくコーヒーを運ぶのです。

そうするとお客さまの不満も消えて、恐らくまた来店してくれるでしょう。
売れるお店は、たとえ「とりあえず客」でも次回の来店につなげることができます。

商売は貸し借りで言うといかに貸しを多く作れるかです。
この積み重ねで、施設が繁盛するかどうかが決まります。


しかし、これはそう簡単なことではありません。
1人ひとりのお客さまにまで気持ちが行き届かないことは多々あります。
ところが、お客さまは1回1回のサービスに喜んだりがっかりします。
時には憤りクレームにつながることもあります。

お客さまからすると、お店の対応次第ではもう来店しないかもしれません。
ですので、いかにお客さまによい時間を過ごしてもらうかに気持ちを集中することが大切です。
お客さまの心の動きを敏感に感じ取ってこそ繁盛店になれるのです。

飲食店の場合は、よく2組のお客さましかいないような閑散期の対応で
売れるお店と売れないお店の差が出ると言います。

売れない店のオーナーは、月末に支払うお金のことばかりが気になり、
お客さまのサービスになかなか専念できません。

しかし、繁盛するお店のオーナーは「混んでいない時だから、
いつもできないサービスをしてあげられるチャンスだ」と考えることができます。

この積み重ねが、数字となって現れると言えるのです。

お客さまを受け入れた以上、たった1人でも全力を尽くす。
それが繁盛する施設の条件です。


 
食の匠 プロフィール
大久保 一彦(おおくぼ かずひこ
日本フードアドバイザー協会の資格認定スクール校長。現場に精通して数々の不振店の業態改善を行い 繁盛店にした、食ビジネスの業績改善スペシャリスト。日本全国や世界の1万店を視察した経験を生かし、 地域密着の店から高級店まで多くの店舗のサポートを開始。東和フードサービス、ハイディ日高、和幸など 有名店のブレーンとしても活躍した。大久保一彦の行くところ繁盛店ありと称される。講演回数も1000回 を超える。また、多くの書籍がベストセラーとなり、出版点数は20冊以上。