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宿研通信 4月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月は看板の匠が「魅力的な店の条件」をお教えします。

閑散期は心をつかむチャンス

人は“らしさ”のある
施設に集まる

こんにちは、“看板の匠” 小山雅明です。

魅力のあるお店というのは、それぞれ個性があります。
昔から小売商人はどうしたら魅力を作り出せるのか、どうしたら魅力的に見てもらえるのか、
創意工夫を重ねて努力を惜しみませんでした。
現在の看板にも、そのノウハウは活かされています。
「店=見世」
つまりお店は人に見せるもの、人を魅せるものでした。

しかし現代では機能主義が進みすぎ、“らしさ”が乏しくなり、
見世の原点が失われてしまったように思われます。
だからこそ、見せ方を大切にしているお店には人が集まります。
これは宿泊施設でも同じでしょう。

魅力的な外観のお店には、ある共通点があります。
それはバランスのよさ。

日本人はバランスのとれた人格に、人間的な魅力を感じ、信頼関係を作る傾向があります。
みなさんの施設はどうでしょうか?
次の5ポイントのバランスをチェックしてみてください。

1.ワクワク感
ワクワクするような感じ。シズル感、心理的間口の広さ、
テイスト、鮮度、色あい、明るさ、鮮やかさ、清潔さなど

2.安心感
明るさ、入りやすさ、欠落感のなさ、店内の雰囲気など

3.営業感・盛況感
季節感、イベントや店頭演出など

4.ターゲットとのマッチング
色あい、デザイン、書体、ターゲットにとっての可読性など

5.アメイジング(驚き)感
意外性、鮮やかさ、インパクト、価格など

魅力的なお店というのは、この5つがバランスよくつり合いがとれた上に、
それぞれの個性となる部分が優れているお店です。

個性ばかりが強くてバランスが崩れていても嫌みになってしまいます。

お客さまや通行人になったつもりで、施設の外観をチェックしてみてください。
全部の項目が5段階評価中3以上ならバランスは心配ありません。
あとは施設の個性を発揮できるような部分に力を入れればよいわけです。

個性は競合店にない意外性、鮮度、インパクト、価格など
によって生まれます。

それを端的に表現することで、存在感は際立ったものになります。
この考え方は、実際の外観だけでなく、宿泊予約サイトにも応用できるでしょう。

例えば価格を個性として売り出す場合を考えてみましょう。
いたずらに目玉商品をもうけて安売りをするのではなく、
しっかりとした商品戦略・価格戦略に基づくことが必要です。

そのためには、「売れ筋1番商品」と「売りたい1番商品」の活用法を
理解しておかなければいけません。


ラーメンのチェーン店で、390円のラーメンが売れ筋のお店があります。
店頭では390円を大きく表現します。これはかなりインパクトの強い演出です。
390円に惹かれて店内に入りメニューを見ると、
ここでは490円のラーメンが大きく表示されています。
つまり、売れ筋商品のうしろに、売りたい商品を置いておくのです。
すると不思議なことに、実際には490円のラーメンを注文したというお客さまが多いそうです。

これはセールスステップを考えれば当然のこと。
まず売れ筋商品を看板にして、店内に入ってもらったら売りたい商品を訴求すれば、
よりグレードの高いものが売れて行きます。


売れ筋商品と売りたい商品はそれぞれ違った顔を持っています。
前者は成熟した商品であり、後者はじっくり育てていける商品です。
売りたい商品がお店の顔になれば、
安売りをしなくても商品を育てながらお店の魅力を高めて行くことができます。

アピールするべき施設の個性は、
10月号で紹介している「HI店舗診断」で導き出すことができます。
今回ご紹介した魅力のチェックと合わせて活用し、
集客力をどんどんアップさせていきましょう。


 
看板の匠 プロフィール
小山 雅明(こやま まさあき
1956年神奈川県生まれ。コピーライター、SPプランナー、広告代理店営業などの職を経て、1984年に27歳でアイワ広告株式会社を起業。1993年より広告媒体の中でも、特に広告効果における費用対効果の高い看板業に事業を集中特化し、企画・デザインから制作・施工までの自社一貫体制がある。看板視認性の改善、SI(ショップ・アイデンティティ)による集客コンサルティングの第一人者として、全国で講演・セミナーを開催している。主な著書に『看板の魅力で集客力がアップする』(かんき出版)がある。