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宿研通信 6月号

食・浴・看板3人の匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
今月から4ヶ月連続して、
価値創造の匠が、まずは「価値創造とは何か?」をお教えします。

お客様の脳に”価値”を”創造”する

認識されなければ
価値ではない

はじめまして、“価値創造の匠”小阪裕司です。
“価値創造”という言葉。国際的にマーケティングのキーワードにもなっています。
これができていないと、お客さまには来てもらえず、来てもリピートしてもらえません。


今回は、この“価値創造”とはどういうことなのかをお教えしたいと思います。

まず“価値”。これは人間の頭の中にしか生まれないものです。
つまり、どれだけ料理、温泉、おもてなしに価値があったとしても、
お客さまの頭の中で価値だと認識されなければ価値がないことと同じなのです。

では、どうやってお客さまの頭の中に価値を創造するのでしょう。

ここで陥りがちな過ちが、
旅館側の視点で、価値をどう伝えればよいかに終始してしまうことです。
そうではなく、価値を創造するためには、“お客さまの思考”を第一に考える必要があります。

どのようなお客さまに対して、どんな情報を、どんなメディアで、
どのように出すか考えていくのが本来のやり方です。

お客さまのイメージを明確に持ち、人を軸に考えていくことが重要です。


価値を決めるのは
総合力

どういうプロセスで価値は認識されるのかというと、大前提なのは情報が認識されることです
価値認識につながる情報が脳の中にインプットされると脳がはたらき、
自分にとって価値があると認識されます。

価値が認識されれば、当然「その施設に行きたい」という“動機”が発動します。
このプロセスをいかにつくるかが、価値創造の鍵です。

感性をゆさぶる情報を選別し、とにかくお客さまに価値を認識してもらう。
そこから価値創造がはじまります。
次の図は、情報がお客さんに影響を与え、
結果としてお客さんの「行く」「買う」などの行動を生み、
売り上げにつながっていく現象をモデル化したものです。

 
 

多くの企業がうまく価値創造をできていない理由は、
このプロセスを理解していないためであることが多々あります。
そのため、価値をつくる「情報」のデリケートさが理解できず、
情報が煩雑になってしまうことが起こります。

たとえば、ホームページが整理されていなかったり、
料理の配膳がただ運ぶだけで終わってしまったり、といったことなどが挙げられます。

では、それらを部分的に高め、それをアピールすればよいのかというと、そうではありません。

価値は総合力で決まります。極論、価値認識の立場から見ると、
いろいろな要素は個々が突出していなくても、すべてがそこそこに揃っていればよいと思います。

お客さまは総合的に情報をキャッチして、
「なんとなくいいよね」という風に施設に価値を感じることができます。

それでは次回は、その“総合力”についてお話いたします。

 
価値創造の匠 プロフィール
小阪 裕司(こさか ゆうじ)
オラクルひと・しくみ研究所 代表/博士(情報学)
作家、コラムニスト、講演、企業サポートの会主催、行政とのプログラム、学術研究などの活動を通じて、これからのビジネススタイルとその具体的な実践法を語り続ける。
山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業にて実務を経験、広告代理店を経て、1992 年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。また、人の「感性」と「行動」を軸にしたビジネスマネジメント理論と実践手法を研究・開発し、2000 年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。「ビールが正価で売れる酒屋」「どこでも買える商品の売上が50 倍に伸びたスーパー」など、数千件の感性価値創造実例を生み出している。日本感性工学会理事、九州大学客員教授・静岡大学客員教授・中部大学客員教授。近年、飛び級で工学院大学大学院工学研究科情報学専攻博士後期課程を修了。
著書は、最新刊『お客さまの「特別」になる方法 』(角川書店)はじめ、新書・文庫化・海外出版含め計30 冊。
実践会・事例公開等の詳細は、http://www.kosakayuji.com 講演・各種プログラム等の詳細は、http://www.kosakayujilab.com 小阪裕司ツイッターは、kosakayuji2010