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宿研通信 6月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“写真の匠”が魅力ある写真の撮り方についてお話いたします。
今回のテーマは「基本的な撮影のポイント」「料理の美しい撮影法」です。

伝える・伝わる写真を撮るために

皆さん、はじめまして“写真の匠”高井 潤です。

今回からプロが教える、宿屋撮影のポイントと題して、
皆さんの施設の魅力が、よりお客さまに伝わる写真の撮影法を伝授したいと思います。

写真を撮るときに絶対に抑えたい
2つのポイント

施設を撮影するとき、プロのカメラマンに依頼するのがもちろん理想です。 しかし、場合によって依頼できないこともありますので、その際に抑えたいポイントは次の2つです。

1.写真の使用サイズを明確にする

撮影に慣れてない方が、最も陥りがちなのがこのポイント。

例えば、小さいサイズの写真に要素を詰め込んでも何も見えてきません。
見せたいポイントを絞り、そこを重点的に撮影するのが良いでしょう。
反対に、大きく使用するのであれば、要素が多く、説明的でも大丈夫。
「今撮影している写真は、何を伝えたいのか」ということを意識すれば、
写真の撮り方はおのずと変化するはずです。

2.美しい写真に歪みやブレは厳禁

建物や部屋を撮影するときに、歪みが大きくなりすぎると魅力を損なってしまいます。
そのため、歪みを抑えるためにカメラを地面に対して出来るだけ垂直に構える必要があります。
ブレを押さえるためには、やはり三脚を使用するのが最も効果的な対策です。
基本的なことですが、このポイントを押さえるだけで、写真の出来栄えは大きく変わりますので、
無意識にカメラの角度が曲がるのを防ぐためにも、できるだけ三脚を使用するようにしましょう。

この2点はどんな場面でも言えることですので、常に意識しながら撮影しましょう。
それでは、シーン別に具体的なポイントをお話ししていきます。
今回は、宿泊の大きな楽しみ、「料理」の撮影ポイントです。

「料理」の撮影ポイント

料理を
美しく見せる裏ワザ

料理を撮影し、確認してみると「色がうまく写らない…」ということはありませんか?
色を美しく表現するためには、“光”を上手に利用する必要があります。
そこで私は料理を美味しく撮影するために、以下の様なことに気をつけています。

●撮影は昼間に行う
光を上手に利用するために、撮影時間は昼がオススメです。
昼間の光は色の偏りが少なく、料理の色をはっきりと写すのに最適です。
夜にお出しする料理に対し、
どうしても夜の雰囲気で撮りたい場合は一種類の光を使うようにして下さい。

●部屋の明かりは全て消す
部屋の明かりをそのまま使用すると、
蛍光灯や白熱灯などの色が料理の色合いにも影響してしまいます。
そのため、部屋の電気は全て消してしまいましょう。

●ポイントは窓からの光
私が料理を撮影する時は“テーブルを窓に寄せる”という工夫を施します。
薄曇りや直射日光の当たらない窓際で料理を撮ると、
料理に対して窓の大きさと同じ光源でライティングをしているのと同じ効果が得られ、
柔らかく美味しそうな光に包まれた写真が撮れます。
撮影するときは、窓に対して斜め横を向いて撮るようにセッティングすると良いでしょう。

さらに、入ってくる光と向きあうようにA4の白い紙をテーブルの上に立てると、
反射光でより美しく表現できます。これはプロが使うレフ板の簡易版ですね。
非常に簡単な方法なので是非試してみてください、きっと光の綺麗さに驚かれると思います。

美味しさを
表現するための構図選び

●広角よりも標準~中レンズを使う

料理の撮影の際、座った目線のまま撮影してしまいがちですが、
実は立ち上がり、少し遠くから標準~中レンズを使用したほうが、
美味しそうな写真を撮ることができます。
望遠はピントを合わせた被写体以外のボケ量が多いため、
1点を集中して見せようとする場合には非常に有効的なのです。
「この料理の、このつやが見せたい!」と思うならば、
一歩引いた状態で望遠レンズを使用し、ズームして見せるほうがより美味しさを表現できます。

●写真の役割を使い分ける

一方で、料理の全体を写したものも必要です。
けれど、一枚の中で全体感としずる感、その両方を表現するのは非常に難しいことです。
出来るのであれば、料理全体を写したものと、一点を集中で写したものの、
両方を撮影するようにしてください。

料理の説明するための写真なのか、美味しさを表現するための写真なのか。

その写真の役割を明確にし、意識することが魅力的な写真を取るために重要なポイントなのです。

「料理」の撮影ポイント

シーンにより、撮影のポイントは異なりますが、
冒頭の2つのポイントはどんな時でも心がけるようにしてください。
次回は、「お風呂」の撮影法についてお話いたします。

 
写真の匠 プロフィール
高井 潤(たかい じゅん)
日本大学芸術学部在学中より、フリーカメラマンとして、月刊誌、季刊誌のグラビアページなどを撮影。 卒業後、広告写真スタジオ、アマナコーポレーションにてスタジオワークを学び、フリーカメラマンとして 独立。週刊誌、情報誌の撮影経験を重ねる。その後、日本経済新聞社写真部に所属、報道写真を経験 し、2007年に独立。現在、新聞、雑誌、広告と多岐にわたる撮影業務を行う。