【印刷用レイアウト】

宿研通信 7月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“写真の匠”が魅力ある写真の撮り方についてお話いたします。
今回のテーマは「お風呂場撮影のための演出」です。

お風呂場を美しく撮影する演出法

皆さん、こんにちは“写真の匠”高井 潤です。

前回からプロが教える、宿屋撮影のポイントと題して、撮影法をお話させていただいています。
今回は、宿屋のウリの一つでもある「入浴施設・お風呂場」についてです。

お風呂場撮影の鉄則
「床は濡らす!」

お風呂場を撮影する時は、やはりしっとりと潤いを表現したいものです。
その雰囲気を出すため、撮影前に床の石やタイルは濡らすようにします。

お客さまが入浴される時、お風呂場は乾いてはいないはず。
そのため、濡れた状態が最も美しく見えるようにお風呂場は設計されています。

「潤い溢れる自慢のお風呂です!」ということを伝えるために、
できるだけ入浴時の情景に近づけるようにしましょう。
そうすれば、きっとその施設の魅力を伝えることができるはずです。

湯気を利用して
情緒ある写真を撮る

お風呂場の写真といえば、やはり湯気はつきもの。
ただ、湯気が写りすぎるとただの全体に白いもやのかかった様な画面になり、
全くないのも乾いた印象になってしまいます。
湯気は表面全体から出ているため、こちらから操作するのは難しいのですが、
上手に湯気の写真に写る量を調節する方法があります。

まず、換気をすること。
これはレンズが曇るのを防止するためでもあります。

次に、お風呂に向かって、カメラの後ろから大きなもので仰いで、手前の湯気を飛ばします。
これにより、奥にだけ湯気が残り、手前をシャープに写すことが可能に。
一点でもシャープに見えると写真全体が引き締まるので、
どこか一点でもシャープに見せることを意識しましょう。

湯気を美しく演出するには、タイミングが重要になるため、
根気よく美しい瞬間を狙いましょう。

ただし、湯気はその日の気温、湿度によっても出る量が変わりますし、
思うように撮れない日も少くありません。
普段宿で働いている皆さんだからこそ毎日の変化を見て、今日は素晴らしい光が差し込んでいる、
今日は湯気の出方が綺麗だと感じる日がありましたら、迷わず撮影されてみるのもよいでしょう。

「料理」の撮影ポイント

実際の場面を
想像できる写真

先ほど「お客さまが利用するときにお風呂場は乾いていない」と言いました。
これはつまり、写真を“実際に利用するときのイメージに近づける”ということです。

通常、お客さまがお風呂を楽しむのは夜の時間帯が多いと思います。
そのため、お風呂場の撮影も、夜に行うほうが入浴時のイメージに近くなる場合もあります。

夜に利用するものを昼間に撮影しても、印象は全く違います。
景色や照明など、夜に最も美しく見えるよう計算されている施設ならなおさらのこと。
美しく設計されているものは、それが最も美しく見える瞬間を切り取るのが一番です。
(もちろん、昼も美しいお風呂なら、昼の時間帯で構いません)

撮影用に色々なものをセッテイングし、美しく撮れたとしても、
実際に利用する時に異なっていたらお客さまにがっかりされるかもしれません。

多少の演出は必要ですが、
お風呂場の写真にかぎらず、お客さまが実際に来訪した時はどういう絵になっているか。
そのイメージをより伝わるように撮ることが、伝わる写真を撮るためには大切です。

 
演出の匠 プロフィール
高井 潤(たかい じゅん)
日本大学芸術学部在学中より、フリーカメラマンとして、月刊誌、季刊誌のグラビアページなどを撮影。 卒業後、広告写真スタジオ、アマナコーポレーションにてスタジオワークを学び、フリーカメラマンとして 独立。週刊誌、情報誌の撮影経験を重ねる。その後、日本経済新聞社写真部に所属、報道写真を経験 し、2007年に独立。現在、新聞、雑誌、広告と多岐にわたる撮影業務を行う。