【印刷用レイアウト】

宿研通信 11月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“掃除の匠”が宿屋のクリンネスについてお話いたします。
今回のテーマは「小さな汚れの影響力」についてです。

良い環境のために“見えない”汚れまで気を配る

みなさんこんにちは
“掃除の匠” 千種 敏夫です。

前回、掃除を継続すると小さな汚れが見える様になるとお話しました。
けれど、その変化に気づくお客さまは、どれだけいるのでしょうか。

正直なところ、汚れに対して細かに目をこらすお客さまはほとんど居ないと思っています。
たとえば、友人の家を訪れた時「とても綺麗な部屋だ」と思っても、
部屋の隅や天井のホコリの一つひとつまで目を凝らしはしないでしょう。

そう考えてしまうと、心の何処かがゆるんでしまい
「お客さまに見えないのなら、細かに掃除する必要があるの?」と考えてしまいます。

けれど、小さな汚れが積み重なると、
“汚れた印象”をお客さまに与えることになってしまうのです。

実は、人が綺麗と思うのは視覚よりも全体に対する“感覚”。
全体として綺麗な印象を与えるには、
見えないからこそ感覚でわかるほど綺麗にする、という意識への切り替えが大切です。

そうした意識を持ち、細かに掃除をしていくことが、結果的に良い環境を生み出します。
見えない汚れを感じることは、結果、先が見えるということに繋がります。

「良い環境の中、旅を楽しんでいただこう」という気持ちがあれば、
掃除の最中に細かな汚れすら綺麗にしたくなるはず。
これは、小さなことにも気づけるように成長したということです。

真摯に掃除を続けていけば、こうした“気づき”も多く得られるようになります。
そして次第に掃除だけではなく、
「どうしたらお客さまに楽しんでいただけるか」という、他人を思いやる意識へと変わります。

掃除をすることは、宿泊施設として当たり前のことではあります。
そして、その当たり前を続けることが、意識の改革へとつながるのです。

 

 
掃除の匠 プロフィール
千種 敏夫(ちぐさ としお)
有限会社エムシイエス設計代表。建築家として活躍しながら、NPO法人「日本を美しくする会」の副会 長、「東京掃除に学ぶ会」代表世話人を務める。美しい街づくりと公共施設の環境美化ための清掃を 20年間継続し、毎月新宿・渋谷の街頭清掃を開催。掃除による心磨きの活動を多くの人に届けるため に、国内のみならず海外でもトイレ掃除の指導援助事業、普及啓発事業などを行なっている。