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宿研通信 8月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“空間の匠”が宿屋の空間デザインについてお話いたします。
今回のテーマは 「地域で作るおもてなし」 についてです。

おもてなしは心のフットワーク

皆さま、こんにちは。
“演出の匠”の田畑明子です。

先々月から4回にわたり、皆さまに“おもてなしの空間デザイン”を
テーマに演出のポイントをご紹介させていただいております。

前回は、空間を変えるための
“ほんの少しの工夫”を皆さまにご紹介いたしました。
3回目の今回は、おもてなしを表現するための
「地域のつながり」をお話させていただきます。

お客様のこころに
寄り添ったおもてなし

私が常日頃心掛けている「おもてなしの心」。
どのような場所、シチュエーションにおいても
その想いがあれば個々で対応が変わってきます。

今回は、そんな「おもてなし」のような
私たちが今なかなか表現できない過去の知恵や習慣を
どのようにお客さまに感じていただくかをご紹介したいと思います。

おもてなしの心をうまくアレンジして、表現することで、
また新たな角度から、日本の宿屋の強みが探れるのではないでしょうか。

さて、お客さまには、それぞれ“旅の目的”があります。
疲れを癒しに来る方、家族や友人と思い出を作りに来る方、
安らぎを求め一人で来られる方などそのカタチは様々です。

そこで宿屋の皆さまにできる事は、
精一杯の“おもてなし”の気持ちを持って、
来て下さったお客さまをお出迎えすることです。

「あのお客さまは小さなお子さまを連れて来られているので
キッズスペースの場所をご案内しておこう。」
「いつも来ていただくあのお客様に
違ったおもてなしは出来ないものだろうか。」

お客さまの目的を考えれば、
その数だけおもてなしのカタチが出てきます。

おもてなしを深める
地域の絆

そうはいうものの、現在、宿屋は余裕がないところが多く、
急な変化や大幅な設備投資が難しいところがほとんどです。

そこで大切になるのが“地域のつながり”です。

資金がない、地域が力を合わせる、
地域に人が集まる、今後の設備投資の資金が集まる、
また地域に人が集まる。

このサイクルを作り出すことは、実はとてもシンプルで簡単です。

例えば、私は宿屋にはその地域の色を生かした
ステーショナリーや生活雑貨をもっと導入してもいいと思います。

お客さまがお部屋に着いたときに、
机の上に特選の便箋が置いていたらどう感じるでしょうか?
その地域で作られたタオルがかけてあったらどう感じるでしょうか?

地方の業者と協力すること、
情報や悩みをシェアすることで地域が活性化されることは
間違いないのです。

大切なことは、今お客さまが本当に喜んでいることを考え、
それを行動に移すこと。

“心のフットワーク”が何よりも大切なのです。

宿屋に限らず多くの施設さまは
すぐに大きな変化を求めてしまうところがあります。
そして、お客さまは全てにおいて“高級”を
求めていると思いがちです。

しかし、実はほんの少しの変化でおもてなしの色は変化し、
それだけで十分満足していただけるのです。

“おもてなし”とは、ちやほやすることではありません。
いかに目的に合わせ、地域で感動や満足を生むかが重要なのです。

忘れてはならないのは、お客さまは宿屋に行くのと同時に、
その地域を楽しみに来ているということなのです。

 

 
空間の匠 プロフィール
田畑 明子(たばた あきこ)
東京出身。グラフィックデザイナーとして企業のPR・企画制作などの業務に携わる。現在主に生活空間
の演出からテーブルコーディネートをはじめ、生活雑貨のコーディネーションの提案。ギャラリーなどで
その提案展及び企画プロデュース。雑誌掲載、テレビ出演等多数。