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宿研通信 9月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“空間の匠”が宿屋の空間デザインについてお話いたします。
最後のテーマは 「おもてなしの空間への気づき」 についてです。

おもてなしの空間に心づく

皆さま、こんにちは。
“演出の匠”の田畑明子です。

こちらのコーナーでは計4回を通して
皆さまに“おもてなしの空間デザイン”を
テーマに演出のポイントをご紹介させていただいております。

前回は、空間を変えるための
“地域のつながり”を皆さまにご紹介いたしました。
最後となる今回は、おもてなしの空間に
どのようにして「気付けるか」をお話させていただきます。

日本には人をもてなす
空間が備わっている

日本には息をのむほどの美しい自然があります。
歴史に彩られた文化遺産があります。
海の幸、山の幸を巧みにいかした料理があります。
そして、そこには人が人をもてなす「空間」があります。

多くの宿屋の方は、
良質な空間を生み出すために、
プロダクトやサービスそのものをイノベートしようする傾向にあります。

しかし、作業環境や職場環境を変えることで
集客率を高めようとする発想は、
いつか限界がおとずれるのではないでしょうか。

本当に宿屋に求められる空間づくりは一体何なのか。
それは、どこの宿屋にも可能性があり、
お客様が心地良く感じる空間をきっと作り出すことができます。

空間に気づき、
空間を整理すること

宿屋の空間づくりは特に従業員や経営者の方など
そこにいる人の空気感がそのままその宿に表れます。

そして、それは店に来るお客様にも反映します。
良い空間をデザインするためには、
宿屋の皆さまがお客様に喜びを感じていただくために、
どのような気持ちでいるか、
どのような仕掛けをするかが重要なのです。

宿屋の方々がデザインすべきことは
目に見えている物や色ではなく、
目に見えていないその先の空気なのです。

ただし、ここで忘れてはいけないことは
独りよがりに陥らないこと。
どのような空間にどのような人が集い、どのような状況を作り上げるかを、
的確に読み取ってデザインする。
良い物を教え合うことで良い物を生む。

そこに宿屋の個性が表れるのです。

この「集客の匠に訊く」を通して、
多く申し上げています“おもてなし”というテーマ。

ロビー、客室、お風呂、食事をいただくところ。
宿屋に存在する様々な空間には必ずその心が必要となってきます。

空間を変えるというと
とても難しく受け止めてしまいがちですが、
実はとてもシンプルなことなのです。

なぜなら日本には四季があり、
季節感を大切にする文化があります。

私たちの国には人が人をもてなす空間を
はじめから持っているのです。

大切なことはそれをはっきり自覚すること。
そしてその空間を少し“整理”して、
お客様のために存分に使うことなのです。

旅人の緊張をたちまち解き放ち、
ほほえみの時間に変えてくれる宿屋の空間。

空間演出を意識して、
お客様にやさしい時間をプレゼントすることが
これからの宿屋業界にとって大切なことなのではないでしょうか。

 

 
空間の匠 プロフィール
田畑 明子(たばた あきこ)
東京出身。グラフィックデザイナーとして企業のPR・企画制作などの業務に携わる。現在主に生活空間
の演出からテーブルコーディネートをはじめ、生活雑貨のコーディネーションの提案。ギャラリーなどで
その提案展及び企画プロデュース。雑誌掲載、テレビ出演等多数。