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宿研通信 1月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヶ月連続して“採用の匠”が「宿屋に求められる人材育成」についてお話しいたします。
最後のテーマは 「採用は人と人の繋がり」 についてです。

採用は人と人の繋がり

みなさま、こんにちは。“採用の匠”小川晴寿です。
4ヵ月に亘り、「宿屋に求められる人材採用」についてお話ししています。
先月は、宿屋で重要な働きやすい環境づくりについてお話しました。

最後となる今回は、「宿屋における採用の極意」についてです。

いままでの繋がりを
大切にする

いままで、宿屋に必要な人材の採用と育成についてお話してきました。

「人材の採用」というと、
新たな人材を採用するというイメージを持たれる方が多いですが、
実は、それだけではありません。

人手不足が露見した時、大きな助けになるのが
過去に採用したスタッフ、つまりOB・OGの存在です。

結婚や出産、配偶者の転勤等、さまざまな理由で退職した彼らは、
実務経験も豊富で、スタッフとしての心得を兼ね備えているので、
助っ人として大いに活躍してくれるでしょう。
(もちろん喧嘩別れをしたような人材は対象外です)

いざと言う時、OB・OGが助けてくれるような関係になるためには、
彼らと宿の繋がりが途絶えないようにすることが大切。

例えば、毎年、OB・OG会を開催して、
その方々のおかげで今日まで宿の経営が継続できている、
という感謝の気持ちを伝えたり、
経営発表会等に招待し、宿の現状を理解してもらえるように
定期的なコミュニケーションを確保しましょう。

宿屋業界に限らず、さまざまな業界で
人手不足が問題視されているなか、
国内・国外問わず、観光客は増加傾向にあります。
繁忙期に十分なスタッフを確保し、満足いく対応ができるか否かで、
今後の経営にも大きく影響が出るといえるでしょう。

採用以外での
改善を試みる

お客さまに満足なサービスを提供するために、
人材の確保は非常に重要です。

しかし、ただ闇雲に人材の「量」の確保に走るのではなく、
一度、現状の経営を見直し、人材の「質」の向上、
すなわち、サービス力のアップや作業の効率化を図ることも
重要な解決策だという認識を持ってください。

人手不足を理由にサービスの悪化を招かないよう、
少ない人数でも生産性が保てるようなシステムを考えたり、
現状のスタッフのさらなる技術向上を図ったり。

それによって、浮いた人件費を
お客さまへのサービスに投入することができます。
そして、1人ひとりがクオリティの高いスタッフへと成長できるのです。

人材採用は、新たな人材の頭数を確保するだけで終わりではありません。
採用後に質の高い育成を施し、スタッフのスキルを高めることで、
サービスの質を高め、やがては宿全体の成長に繋げることができます。

それは、さらなる成長を促す人材採用に繋がるのです。

■ワンポイントアドバイス~採用の極意~●採用で忘れてはならないのは、
働きたいと思って来てくださった人は、
求職者であると同時に未来のお客さまであるということ。
たとえ採用の場であっても、
求職者には常にホスピタリティの精神を忘れない
対応が求められるでしょう。
例えば、ある老舗の和菓子屋やブライダルサロンでは、
採用面接の場でも、求職者にはお客さまと同じように
接することを心がけています。
いかなる場面でもホスピタリティを大切にすることで、
たとえ不合格だったとしても、求職者は、後に顧客として
心地よく来店してくださるのです。
このように、採用は人材確保の場だけではなく、
人と人をめぐり合わせる場です。
“人”という視点で宿の経営全体を見直し、
お客さまだけでなく、スタッフとの繋がりも大切にすることが、
大きな価値を生み出す採用活動になるのではないでしょうか。

 
採用の匠 プロフィール
小川 晴寿 (おがわ はるひさ)
株式会社アッシュ・マネジメント・コンサルティング 代表。
東証2部上場のコンサルティング会社へ入社後、コンサルティング商品の企画・開発をはじめ、営業部門の
生産性向上、人事評価制度の策定、マネジメント・システムの構築、 採用コンサルティング等のプロジェク
トを経験。その後、株式会社リンク・ワンの創業メンバーとして、経営に参画。取締役として、おもにプロ
店長事業、教育コンサルティング事業を管掌し、一翼を担う。2006年11月、アッシュ・マネジメント・コン
サルティングを設立。若手の速・戦力化、定着のコンサルティングを行っている。