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宿研通信 10月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“インバウンドの匠”が
「宿屋に求められるインバウンド施策」についてお話しいたします。
今回のテーマは「時代が求めるインバウンド集客」についてです。

時代が求めるインバウンド集客

みなさま、はじめまして。“インバウンドの匠”村山慶輔です。
今月から4回にわたり、「宿屋に求められるインバウンド施策」についてお話ししたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

第1回目は、「時代が求めるインバウンド集客」についてです。

なぜいま
“インバウンド”なのか

“インバウンド”という言葉をニュースなどで
聞いたことがある人も多いと思います。
これは、日本に訪れる外国人観光客のことを指し、
その数は今年で1900万人に届くほどともいわれています。
また、2020年「東京オリンピック」の開催が発表されたことをきっかけに、
インバウンドはさまざまな業界で大きく注目されるようになりました。

そのため、このインバウンドの需要をビジネスにする
“インバウンドビジネス”は、各企業で注目されています。
例えば、大手百貨店の一部では2014年から
インバウンド専門部署を立ちあげ、
自治体でもインバウンド向けの観光予算を始めるなど、
各企業や地域でインバウンドへの取り組みが広がりつつあります。

もちろん、宿屋業界においても
インバウンドは重要な存在になっています。
というのも、現状における訪日外国人の、
実に3/4は経済発展しつつあるアジアからの観光客。
一昔前に比べ各国の経済が発展し、
さらにはビザの緩和やLCC(格安航空)の登場、
飛行機・電車・クルーズ船など、
交通手段が多様化したことが相乗効果を生み出し、
日本観光の魅力を底あげしているためです。

しかし、宿屋業界におけるインバウンド施策は、
まだまだ発展途上にあります。
だからこそ、いまからインバウンドに目を向け、
取り組みや知識を集めておくことで、
今後ますます増えることが予想される
インバウンドの集客に繋げることができるのです。

日本らしさの発信で
集客に

では、インバウンドが注目される現代において、
現状の宿屋はどのような取り組みをしているのか。
そう思われる方も多いと思います。
現状、一番多い取り組みとしては
「海外の旅行会社やOTA(Online Travel Agent)と契約する」
ことがあげられます。

団体旅行客へのアプローチを行う場合、
旅行業界のイベントである「ツーリズムEXPO」などで
海外の旅行会社と直接交渉して、
ツアーに組み込んでもらう宿屋も少なくありません。

また、オンラインで宿泊の予約が完結するOTAは、
海外では個人旅行者から高い人気を誇ります。
そのため、海外OTAと契約することで
個人旅行者の集客に繋げる宿屋も増えています。

ただ、旅行会社やOTAと契約するにあたり、
下記のようなメリット・デメリットが
あることを把握する必要があります。

<旅行会社やOTAと契約することによるメリット・デメリット>

■メリット
 ・ツアーなどに組まれることで、短期的な集客に繋がる。
 ・難しい手続きなどは契約企業が行うため、インバウンド集客を始めやすい。

■デメリット
 ・ツアーに組み込まれる場合、団体での利用が多くなるため、
  インバウンド施策が十分でない宿屋では対応が厳しい場合もある。
 ・契約料などのコストがかかるため、注意が必要。

このように一見、高いインバウンド集客が見込めても、
十分な準備がないままインバウンド施策に踏み込んでしまうと、
お客さまへの満足なおもてなしができない…
なんてことになりかねません。
逆に言えば、インバウンドの知識を集め、
十分な準備を持ってお客さまへのおもてなしを行えば、
リピーターに繋がり、
短期的ではなく長期的な集客となるでしょう。

次回は、過去の具体的な事例を交え、
宿屋におけるインバウンド集客の方法を
ご紹介したいと思います。

 
インバウンドの匠 プロフィール
村山 慶輔 (むらやま けいすけ)
株式会社やまとごころ代表取締役。インバウンド戦略アドバイザー。米国ウィスコンシン大学マディソン校卒。2007年にインバウンド観光に特化したBtoBサイト「やまとごころ.JP」を立ちあげ、さまざまな業界に情報発信、教育・研修、コンサルティングサービスなどを提供。インバウンドビジネスの専門家として、ワールドビジネスサテライト、NHKワールドをはじめ、国内外各種メディアへ出演多数。著書に「訪日外国人観光ビジネス 沸騰するインバウンド市場攻略ガイド(翔泳社)」がある。