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宿研通信 2月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“コンテンツの匠”が
「宿屋に求められるコンテンツ力」についてお話しいたします。
今回のテーマは「その土地のコンテンツ力を集客に繋げる」についてです。

その土地のコンテンツ力を集客に繋げる

みなさま、はじめまして。“コンテンツの匠”田中翼です。
4回にわたり、「宿屋に求められるコンテンツ力」についてお話ししていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

最初となる第1回は、「その土地のコンテンツ力を集客に繋げる」についてです。

興味を持たれる
コンテンツとは?

ここでご紹介いたします「コンテンツ」とは、
宿屋から発信するさまざまな情報、
サービスや魅力のことです。

第1回は、宿屋を取り巻く環境と宿屋が
上手く協力して集客に繋げることはできないのか?
そんな疑問にお答えします。

さまざまな方法が考えられますが、今回お話ししたいことは、
「その土地のコンテンツ力を集客に繋げる」についてです。

宿屋の集客には、地方に構えて観光客を
メインターゲットにする場合と、
都心でビジネスパーソンを
ターゲットにする場合などさまざまです。
しかし、どちらにも共通して求められる点は、
お客さまにその土地、その環境の魅力を
いかに伝えられるかなのです。

私の経営する株式会社仕事旅行社では、
普段体験できない仕事を
1日体験することができる“体験”を商品にしています。
そんな数ある仕事体験のなかでも、
数多くの人が参加する仕事には共通点があります。
例えば、ただの“陶芸”を謳った
仕事体験では人が集まらず、
“京都の伝統工芸”や“京焼”、
“西陣織り”など、その地域に根づいた
コンテンツをメインにした仕事体験に人気が集まります。

しかし、集客に悩む多くの宿屋が思うことは、
「誰もが惹かれるコンテンツなんてうちの地域にはない」や
「このコンテンツは外の人から見て、おもしろいのか?」など、
自分たちの地域のコンテンツに自信が持てない宿屋が多いようです。

その結果、どこにでもある食べ物やサービスを
売りにしてしまうケースが多いのです。

その土地の“当たり前”が
コンテンツになる

ではどうしたらいいのでしょうか。
その答えは、その地域にある“当たり前”にあります。
一見、その土地の人たちからしたら
たいしたことのないことでも、
見る人が変われば、とても魅力的なコンテンツとして
捉えられることがあります。

例えば、広大な畑が並ぶ北海道の農村地帯では、
その土地でとれるお米や、野菜などを、
メインコンテンツとして推しがちです。
しかし、その土地に観光に来た人からすれば、
狭い都会では体験できない
“広大な畑をトラクターで運転する”という
その土地の人からしたら“当たり前”のことが
キラーコンテンツ(集客力のあるメインのコンテンツ)になり得るのです。

こうした“当たり前”のコンテンツは、
その土地に長くいればいるほど、
見つけられないものです。
その土地を愛するがゆえに、発想や視点が
固定されてしまうので、
その土地の魅力を引き出すためには、
外の人の意見をうまく取り入れることも大切になります。

その土地のコンテンツ力を最大に発揮するためには、
高級な食べ物や大きな建物をたくさんつくるのではなく、
そこでしかできない“体験”や“出会い”に
目を向けていくことが結果的に集客に繋がるのでしょう。

 

 
コンテンツの匠 プロフィール
田中 翼 (たなか つばさ)
1979年生まれ。神奈川県出身。米国のミズーリ州立大学を卒業後、国際基督教大学(ICU)へ編入。卒業後、資産運用会社に勤務。在職中に趣味でさまざまな業界への会社訪問を繰り返すうちに、その魅力の虜となる。気づきや刺激を多く得られる職場訪問を他人にも勧めたいと考え、2011年に「見知らぬ仕事、見にいこう」をテーマに株式会社仕事旅行社を設立し、代表取締役に就任する。100ヵ所近くの仕事体験から得た「仕事観」や「仕事の魅力」について、大学や企業などで講演も手がけている。