【印刷用レイアウト】

宿研通信 5月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“コンテンツの匠”が
「宿屋に求められるコンテンツ力」についてお話しいたします。
今回のテーマは『宿屋の個性を発揮する』についてです。

宿屋の個性を発揮する

みなさま、こんにちは。“コンテンツの匠”田中翼です。
4回にわたり「宿屋に求められるコンテンツ力」についてお話ししています。
どうぞよろしくお願いいたします。

最終回となる第4回は、『宿屋の個性を発揮する』についてです。

個性を尖ったコンセプトへ

これまでの回では、
宿屋の周りにある環境(土地)をもとに
コンテンツを生み出すことについてのお話でした。
最後に私がお話ししたいのは、
宿屋の持つコンテンツを伝えることについてです。

宿屋ではありませんが、面白い事例をご紹介しましょう。
新潟県の限界集落にある古民家を活用した
シェアハウスに、今入居希望者が殺到しています。
入居希望者に限らず、年間数千人が見学に訪問しているそうです。

このシェアハウスが注目されるようになったのは、
「限界集落の猫好きの古民家シェアハウス」という
他にはない尖ったコンセプトにメディアが注目して取り上げたことで、
多くの人が興味を持つようになったからです。

みなさまも、これまでにつくりあげた
宿屋自身が持つ「個性」を活かし、
尖ったコンセプトへと昇華させてみてください。
それはどこにも負けない強みとなり、
魅力あるコンテンツになるはずです。

「宿屋」から地域を巻き込む

ここまで宿屋におけるコンテンツづくりについて
事例を交えながらお話しさせていただきました。
最後に、宿屋の地域における可能性について
お話ししたいと思います。

ここでさらにひとつ例を紹介します。
神奈川県にあるゲストハウスでは
「自分とは異なるキャリア、ライフスタイルと繋がれる、縁が産まれる」
というコンセプトを発信し、異業種同士で語り合うイベントや
就職活動中の学生へ格安で宿泊を提供するなどの
企画を次々と仕掛けています。

これにより、ゲストハウスの宿泊者が増えるのはもちろん、
就職活動の相談相手を求める学生が訪れることもあります。
また、そのコンセプトに引き寄せられて
求人募集中の企業がアドバイスを求めて訪れたり
企業のキャリアイベントや施設の運営にまつわる依頼があるなど、
宿泊業から仕事の幅を大きく広げています。

宿屋は「宿泊させる」という
当たり前の機能を提供するだけでは強みになりません。
宿屋としての強いコンセプトを持ち、
それを宿泊以外のことへも展開・発信することで強みになります。
そして、それが地域や社会に対して
ムーブメントを引き起こす可能性にもなり、
より大きな集客に繋がるでしょう。

 

 
コンテンツの匠 プロフィール
田中 翼 (たなか つばさ)
1979年生まれ。神奈川県出身。米国のミズーリ州立大学を卒業後、国際基督教大学(ICU)へ編入。卒業後、資産運用会社に勤務。在職中に趣味でさまざまな業界への会社訪問を繰り返すうちに、その魅力の虜となる。気づきや刺激を多く得られる職場訪問を他人にも勧めたいと考え、2011年に「見知らぬ仕事、見にいこう」をテーマに株式会社仕事旅行社を設立し、代表取締役に就任する。100ヵ所近くの仕事体験から得た「仕事観」や「仕事の魅力」について、大学や企業などで講演も手がけている。