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宿研通信 6月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して“快眠空間の匠”が
「宿屋が提供できる快眠空間」についてお話しいたします。
今回のテーマは『睡眠環境を整える必要性』についてです。

睡眠環境を整える必要性

みなさま、はじめまして。“快眠空間の匠”三橋美穂と申します。
4回にわたり、「宿屋が提供できる快眠空間」についてお話ししていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

初回となる第1回目は、「睡眠環境を整える必要性」についてです。

快眠セラピストとしてご活躍されている三橋美穂さん

普段からしっかりと眠れていますか?

子ども、大人、どんな人でも必ずとる必要がある“睡眠”。
しかし、近年では日本人の睡眠の質の低下が叫ばれるばかりです。
そんななかで宿屋が快眠空間を提供するために、
まずは「睡眠環境を整える必要性」についてお話しいたします。

ご相談に来られる方を見ていると、寝つきが悪くて眠れない、
眠りが浅くて十分に眠れていないという方が圧倒的に多いのが現状です。
原因は、仕事が忙しいために睡眠時間がとれなかったり、
育児で睡眠時間が削られている人など多岐にわたります。
つまり生活習慣が悪かったり、ストレスが溜まっている状態の人がほとんどなのです。

お布団に入って数分で眠りにつくことが
快眠だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は快眠に繋がっているわけではなく、
睡眠不足によって引き起こされている状態なのです。
この状態のことを、“睡眠不足症候群”といいます。
眠りに飢えている状態のため、すぐに寝てしまうという状態で、
慢性的な日中の強い眠気や疲労感に悩まされる人は、
睡眠不足が引き金となっている可能性が大きいのです。

疲れがとれないということは、日常生活にもなんらかの悪影響を及ぼしてしまいますよね。
睡眠の時間は、休息をとるための大事な時間ですから、
日常生活をよりよく過ごすためにも、睡眠環境を改善する必要があります。

健康的な睡眠の場合、寝つきに10~20分ほどかかるのが一般的です。
まず、快眠に繋げるために必要なことは、自分の体がリラックスできる環境をつくりあげること。
さて、ここで宿屋でも実践できる
快眠に繋がる環境づくりについて考えてみましょう!

三橋さんのオフィスには数多くの寝具が備えられています

体をリラックスさせる環境づくり

宿屋を訪れているお客さまには、さまざまな目的があると思いますが、
普段の生活から少し離れ、比較的リラックスした状態の方も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは快適な環境づくりについて2つのポイントをご紹介いたします。

■室内の光を調節しよう

まず、室内の光が快眠には重要なポイントです。
人間は夜になると“メラトニン”という物質が脳内で分泌され、
それによって自然に眠気がやってきます。
明るすぎる光は、メラトニンを分泌しにくくしてしまいます。
宿屋では食事をする場所と寝床が同じ空間にあるところも多いと思いますが、
明かりの調節が可能なもの、または間接照明を用意してみるのもいいでしょう。

寝つきをよくするための工夫も大切ですが、
気持ちのいい目覚めに必要なのは朝の太陽光です。
朝日を浴びると、メラトニンの分泌にストップがかかり、目覚めをすっきりさせてくれます。

朝の目覚めをすっきりさせるため、カーテンにも工夫をとり込んでみましょう。
遮光カーテンには1、2、3級とそれぞれレベルがあり、
1級に近づくにつれ、しっかりと光を遮断してくれます。
大体の光を遮断してくれるものの、ほのかに朝の訪れが分かる2級あたりがおすすめです。
…とは言っても、しっかりと光を遮断する厚いカーテンがあるほうがいい
お客さまもいらっしゃるはずですから、
それぞれ使い分けられるように備えつけられているといいでしょう。

ルームライトは何段階かに分けて明るさを調節できるそうです

■アロマや音楽を使ってみよう

空気清浄機や加湿器をご用意されている宿屋は多いかと思います。
そこでひと手間ですが、アロマフューザーやアロマポットを
貸し出ししてみるのも快眠するための環境づくりのお手伝いができるでしょう。
私がいままで宿泊してよかったものでは、茶香炉があった施設。
陶器の香炉に緑茶が置いてあったのですが、キャンドルの火の熱でお茶の香りが広がるんです。

アロマテラピーというのは、植物から採れる
香りの高い精油を使って、体と心を健やかに保つための自然療法のこと。
ラベンダーやメリッサ、ゼラニウムなどの精油は気持ちをリラックスさせてくれて、
眠りを誘いやすいのでおすすめです。
また、自然音を含むものを聴くと緊張がほぐれてきますから、
波の音や小川のせせらぎ、またはゆったりとした
テンポで歌詞のない曲を用意してみるのもいいでしょう。
最近では“快眠CD”というのも発売されていたりしますから、
従業員の方たちが、お客さまへご紹介できたりすると素敵ですよね。

三橋さんが使用されている快眠グッズ

今回は「睡眠環境を整える必要性」として、
睡眠の重要性と快眠に繋げるための環境づくりについて
少しふれさせていただきましたが、
次回は引き続き、宿屋が提供できる安らぎの環境づくりについて
お話しさせていただきます。
お楽しみに!

 
快適空間の匠 プロフィール
三橋 美穂 (みはし みほ)
マーケティング職を経て、寝具メーカーに入社。商品開発やアドバイザー育成、マーケティング、広報、研究開発職を経て、2003年に独立。睡眠を多角的にとらえた実践的なアドバイスと、手軽な快眠メソッドが支持を集め、睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍。睡眠の大切さと、快眠のための工夫・寝具選びを提案。快眠グッズの企画・製作、宿泊施設の睡眠環境コーディネートなど、企業の睡眠関連事業にも多数携わる。