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宿研通信 2月号

匠が、とっておきの集客術を教えます 集客の匠に訊く

集客の匠に、お客さまを呼ぶポイントを訊くこのコーナー。
4ヵ月連続して
「宿屋に求められる色彩テクニック」についてお話しいたします。
今回のテーマは『人の心を動かす色彩』についてです。

人の心を動かす色彩

今回は“色彩の匠”と称して、関口智恵(ともえ)氏にお話をうかがいました。
みなさま、はじめまして。
4回にわたり「宿屋に求められる色彩テクニック」についてご紹介します。
どうぞよろしくお願いいたします。

第1回は、『人の心を動かす色彩』についてです。

色が表すメッセージ

街や車、洋服や小物、顔色など、
私たちの周りにあふれているさまざまな色。
実は、その色にはそれぞれメッセージが隠されていることを
ご存知でしょうか。

例えば、冬になるとあたたかみを感じる色(暖色)の服を選び、
夏になると涼しげな色(寒色)の服を選んでいませんか?
これは「あたたまりたい」「涼みたい」という気持ちが働き、
無意識にその色を選んでいるのです。

また、元アメリカ大統領のケネディ氏や
現アメリカ大統領のトランプ氏は、
赤いネクタイにダークスーツの装いで選挙演説に挑みました。
赤は「権力・強さ・情熱・リーダー」の象徴のため、
この色を身につけることで自分だけでなく
周りのモチベーションも高まり、心に響く演説ができるのです。

このように、色は自身だけでなく周りの人にも影響し、
メッセージを発信しています。

これは、旅人に癒しの時間を提供する宿屋にもいえること。
いくら「癒しの空間」「美味しい料理」とうたっていても、
それに合った色が使われていなければ、お客さまはなんとなく違和感を抱きます。
この「なんとなく」ミスマッチで落ち着かない感じが積み重なると、
「不快」へと変わってしまいます。
逆に色のメッセージ性を活用すると、
わざわざ自ら「癒しの宿」とうたわなくても、
無言のメッセージとして、お客さまに浸透するわけです。

ここでは、より効果的に色を活かした空間を提供するために、
色の基礎知識をご紹介します。

古代から伝わる色のチカラ

色を活用することに着目したのは
古代ギリシャ・古代エジプトの時代からだといわれています。
古代のエジプト人は病人のために色彩と光の寺院を建て、
カラーヒーリング(色彩療法)を行っていたそうです。
古代の人は、色が心や身体にもたらす影響を本能的に
感じとっていたのかもしれません。

「カラーヒーリング」「カラーセラピー」は、一時の流行ではなく、
古代の偉人たちからの叡智(えいち)なのです。

さて、一口に「色」といっても、さまざまな色のトーンがあります。
光がない場所では色を認識でないように、
色は光によって見ることができ、その明るさによって色みを変えるのです。

これは、色が持つ「色相・明度・彩度」の
3つの性質と印象を表す「トーン表」です。

<3つの性質>
色相: 赤み、青みといった色み
明度: 色の明るさ・暗さ
彩度: 色の鮮やかさの度合い


このトーン表は、色彩調和の観点からは
便宜上「ペール」「ライト」「ビビッド」のような
12種のトーンに分けられています。
そのため同じ「赤」でも「暗い赤」「うすい赤」といったさまざまな「赤」があり、
それに対して感じる印象も変わってくるのです。

宿屋の空間では、やみくもに色を配置するのではなく、
色のトーンによるメッセージにも注目されるといいと思います。

次回は、宿屋にとってポイントとなる配色方法と、
配色する際の注意点についてご紹介いたします。

 

 
プロフィール
せきぐち ともえ
株式会社キュア・カラー 代表取締役。一般社団法人 日本カラーヒーリング協会理事長。ILA(世界の光と色の協会 日本支部)代表。広告代理店時代、500人以上のアーティストの広告宣伝・プロモーションを担当。1999年に「キュア・カラー」設立。色彩はもとより、前職経験を活かした企業のブランドづくりのコンサルティング、商品開発、監修などを多数行い、幅広く活動している。現在は「色の気(エネルギー)で女性性満開ワークショップ」を、鎌倉・アメリカ・パリにて開催中。主な著書『心の三原色—もっとキラキラ輝くあなたへ』。