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宿研通信 12月号

互いの協力で理想の未来を形に。ここはアイディアの宝庫 宿研トピックス

宿研からのお知らせや、パートナー施設さまの取り組みなどをご紹介するこのコーナー。
今回は、ローコストキャリア(LCC)から発想する販売戦略をお教えします。

ローコストキャリアから販売戦略を発想

10月21日、羽田空港が32年ぶりに国際化しました。
国際化に伴い、羽田空港にはローコストキャリア(LCC)と呼ばれる
格安航空会社が就航するようになり、安価なサービスが注目を集めています。

例えば、エア・アジアでは羽田就航記念キャンペーンとして、
羽田‐マレーシア便の一部座席を片道5千円で販売しています。
海外旅行は日本人にとって、より一層身近なものとなりました。

一方、国内観光事業ではホテル・旅館の価格競争が激しくなっており、
生き残るため時には値下げしたプランの投入も必要になっています。
しかし、ただ値下げするだけでは利益を圧迫してしまいます。

そこで今回は、安価な販売価格でも利益を確保している
LCCのビジネスモデルを参考に、取り組みを考えてみましょう。

機内サービスを有料化して
基本料金を値下げするローコストキャリア
機内サービスを有料化して基本料金を値下げするローコストキャリア
 
値下げしつつ
利益をあげるためには?

みなさんご存知だと思いますが、ここで「利益の構成式」を確認しましょう。

利益=売上-コスト

売上は次のような構成式になります。

売上=宿泊料+館内消費料

上記の二つを合体すると次のようになります。

【利益=(宿泊料+館内消費料)-コスト】

宿泊料を下げつつ利益をあげるためには、館内消費料を上げる取組み、
もしくはコストを下げる取り組みを考えなければなりません。

では、具体的にどのような取り組みをすればよいのでしょうか?
今号の宿研トピックスでは、
コストを下げる取り組みについて考えてみましょう。


商品の核を残し、その他の部分を切り離して
低価格を実現する

今までの航空会社が、機内飲食、機内誌、毛布、ビデオ、音楽などを
無償で提供していたのに対し、LCCはそれらを有料化することで格安運賃にしています。

つまり、飛行移動という商品の核となる部分を残しつつ、
商品を分解して低価格化を実現しているということです。
サービスの部分を切り離したことで、純粋な航空運賃のみになるのです。

これを宿泊施設に置き換えると、どうなるでしょうか?

宿泊施設の核となる部分は「宿泊」です。
機内飲食や毛布などにあたるのは「アメニティ」です。
そこで、タオル・浴衣・歯ブラシセットなどのアメニティを外して
プランを安価にするやり方が考えられます。
こうしたプランを「エコプラン」として販売している施設も目立つようになりました。

アメニティを必要とするお客さまには有料で提供し、
利用しないお客さまにはその分安価でプランを提供できます。
この方法であれば、宿泊料は下がりますが、
アメニティの仕入れコストやリネンコストを削減することが可能です。

 
 
タオルは持参するなど、エコプランとしても人気 タオルは持参するなど、エコプランとしても人気
 

布団の上げ下げも、旅館の慣習にならって無償サービスでしたが、
これをお客さま自身でやっていただくことでプランを安価にする方法もあります。
このようなプランを「ほったらかしプラン」と表現して
販売しているところも見受けられるようになりました。

このプランは、
お客さまによっては意外にも「自分の都合で自由に布団が敷ける」、
「従業員に勝手に部屋に入られることがなくプライベートが守られる」と
好意的に捉えられています。
こちらは、宿泊料は下がりますが、人的コストを下げることができます。

 
部屋に入ってほしくないお客さまに好評の
布団敷きっぱなしプラン
部屋に入ってほしくないお客さまに好評の布団敷きっぱなしプラン
 
 

また、宿泊施設では提供することが当たり前に感じるお食事も切り離すことができます。
よく目にするのが食事を一切提供しない「素泊まりプラン」、
朝食のみの「一泊朝食付きプラン」、夕食のみの「一泊夕食付きプラン」。

また、お食事自体を分解して、品数を減らす方法もあります。
お客さまによっては、たくさんは食べられないという方もいるので、
そうしたお客さまのニーズに対応できます。
これらは、宿泊料は下がりますが、食材調達コストや調理コストを下げることができます。


温泉目当てで気軽に旅行ができる、
食事はいらない素泊まりプラン
温泉目当てで気軽に旅行ができる、食事はいらない素泊まりプラン
仕事帰りにふらっと立ち寄り、
朝食はしっかり食べるプラン
仕事帰りにふらっと立ち寄り、朝食はしっかり食べるプラン
 
 
他業種のビジネスモデルを取り入れ、
新たな発想を

今回ご紹介したように、ただ単に今までのプランを値下げするのではなく、
合わせてコストカットも考えていかなければいけません。
価格競争に対応しつつ、利益をあげる仕組みを構築することが重要です。

LCCのビジネスモデル以外にも、
他業種の取り組みや、現在成長している企業の取り組みは参考にできる場合が多くあります。
自分の施設に置き換えて考えてみると、新しい発想が生まれるかもしれません。
よい取り組みをどんどん参考にし、取り入れ、利益をあげていきましょう!

次回は「館内消費料を上げる取り組み」についてご紹介します。お楽しみに!