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宿研通信 1月号

互いの協力で理想の未来を形に。ここはアイディアの宝庫 宿研トピックス

宿研からのお知らせや、パートナー施設さまの取り組みなどをご紹介するこのコーナー。
今回は、インストアマーチャンダイジングから発想する販売戦略をお教えします。

インストアマーチャンダイジングから販売戦略を発想

前回のトピックスではローコストキャリアというビジネスモデルから
旅館の宿泊プランを発想しました。
価格に敏感になっている近年の消費者に対して、
宿泊料を下げながらコストも同時に下げることで利益を確保する方法を考えました。

それでは今回は、
小売業で使われるインストアマーチャンダイジング(ISM)という考え方をもとに、
館内消費料をあげて利益をあげる取り組みを考えて見ましょう。

客単価を構成する
6つの要素

ISMとは、効果的な商品の品揃えや陳列、売り場演出によって
店内需要の創造・喚起を図る技法です。
ISMは来店客の客単価をあげるという考えであり、
客単価は次のような式で表すことができます。

客単価=動線長×立寄率×視認率×買上率×買上点数×商品単価

動線長:店舗内をお客さまが歩く距離
立寄率:様々なスペースへ立寄る割合
視認率:商品に注目する割合
買上率:実際に購入する割合
買上点数:実際に購入した数
商品単価:商品1つあたりの価格

動線長や立寄率はハードの問題もあるので、今回は主に
「視認率」と「買上率」の2つに着目して、宿泊施設での取り組みを考えてみましょう。

様々な販売の
仕掛けがあるスーパー
様々な販売の仕掛けがあるスーパー
 
スーパーのレジにひそむ
「ついで買い」を誘う仕掛け

スーパーやコンビニなどでレジ前に商品が並べられていますよね。
これは「ついで買い」を狙った販売の仕掛けです。
レジの列に並んでいる時や、レジ係がレジ打ちをしているタイミングをうまく活用して
商品に注目(視認)させています。
レジ前についつい買い物カゴに放り込んでしまいそうな、安価なものを並べることで、
買上率をアップさせる仕掛けです。


これを宿泊施設に置き換えると、どのようなことができるでしょうか?

レジは施設の「フロント」と置き換えられます。
フロントはすべてのお客さまがチェックインするのに署名したり、
チェックアウト時に精算したりします。
では、ここにどのような仕掛けをすればよいでしょうか?

ひとつは「追加料理」が考えられます。
フロントで署名をしているときに、
お連れのお客さまは必ず時間を持てあまし周囲を見回します。

その時間こそが「ついで買い」をしてもらうチャンスなのです。

ついで買いを誘うために、フロントに「追加料理」の写真を目立つように飾ってみましょう。

また、ご署名のあとに「本日は旬の○○が入荷しまして、
よろしければお食事の追加の一品としていかがですか?」などの
言葉を添えてもよいかもしれません。

 
 
フロントで
追加料理を訴求しましょう
フロントで追加料理を訴求しましょう
「本日入荷しましたので、よろしければ!」
という一声も
「本日入荷しましたので、よろしければ!」という一声も
 
 
お客さまに
「安心」してもらうために

スーパーの試食にも販売の仕掛けが隠されています。
お客さまは商品を買うときに、イメージと違ったらどうしよう…という
不安を抱えながら買い物をしています。
それを取り除くためには「イメージさせる仕掛け」が必要になります。

自分がそれを食べているところをイメージさせるために調理方法を伝えたり、
実際に食べてもらったりしているのです。
実際に食べてもらうことによってイメージし、「安心感」と「買う自信」を与えています。


宿泊施設に置き換えて考えみると、夕食時のお飲み物にこのケースが当てはめられます。

旅行の際、お客さまはできるだけ地のものに触れようとしています。
飲み物の場合であれば地ビール、地酒、地ワインといったものです。
お客さまは地の飲み物に興味を持ちつつも、
まだ体験していない商品に対してイメージがわかずに不安を抱え買うことをためらっています。

そこで、不安を解消するために積極的に試飲をおすすめしてみてはいかがでしょうか?
ビールは炭酸の関係で難しいかもしれませんが、
お酒やワインは試飲用と割り切ってボトルを用意することを考えてもよいでしょう。
試飲してもらうことで安心感を与え、買うことの後押しをすることで買上率がアップします。

 
 
地酒の試飲で
買上率アップ
地酒の試飲で買上率アップ
 
 
限定感の演出や
順位づけによる安心感

POPにも仕掛けがあります。
「本日限定! 限定○○組!!」という限定感を演出することで、注目させ視認率を高め、
今しか買えない雰囲気を演出して買上率を高めています。


ランキンランキン(ranKing ranQueen)に代表されるように
「売れ筋1位」「売れ筋2位」などと順位づけするPOPも効果的です。

順位づけをすることで、いま何が流行っているのかという興味から注目させ視認率を高めたり、
みんなが買っていることの安心感を与えることで買上率を高めたりしています。

施設での販売施策に活かすとすると、売店のPOPに活用することができます。
旅のお土産を家族、友人、そして仕事仲間などに買って帰るお客さまは多いですが、
何を買えばよいか悩んでいる人が大半です。
そんな状況のなかで、買い物の後押しをするのは、
あまり手に入らない限定ものを買ったときの「希少性による満足」と、
みんなが買っているので無難ではずれないだろうという「安心感」の2つです。


「期間限定」「限定○○組」「当館限定」「地域限定」などの希少性をにおわせる言葉や、
「当館1番人気」「月間売上1位」などの安心感を与える言葉を活用して
視認率と買上率を高めましょう。

 
 
ランキングの提示で
安心感が生まれます
ランキングの提示で安心感が生まれます
 
 

前回はローコストキャリア(LCC)、
今回は小売業のインストアマーチャンダイジング(ISM)の2回に渡って、
利益を上げるための販売戦略をいくつかご提案させていただきました。
旅館は「宿泊」という核となるもの以外にも様々なものが組み合わさっています。
お食事・お風呂・売店・カラオケボックス・クラブ・バー等。
このような様々なもので売上をあげられる可能性があります。

他業種のビジネスモデル等を参考にしながら自社に置き換えて新しい発想をし、
自社の利益をあげる仕掛けをこれからも考えていきましょう!