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宿研通信 5月号

互いの協力で理想の未来を形に。ここはアイディアの宝庫 宿研トピックス

宿研からのお知らせや、パートナー施設さまの取り組みなどをご紹介するこのコーナー。
今回は、お客様から満足感を引き出し、不満を持たせないためのコツをお教えします。

「動機づけ要因」と「衛生要因」で
お客さまの感情をコントロールする

お客さまは旅館を選ぶ時、何に心を動かされるのでしょうか?
また、旅館を後にして、どんなところに不満を覚えるのでしょうか?

お客さまの満足度・不満足度は、宿泊予約数やクチコミに直結する部分です。
今回はここを強化することを考えていきましょう。


満足度アップの「動機づけ要因」と、
不満解消の「衛生要因」

アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグの唱えた
「動機づけ・衛生理論」という理論をご存知でしょうか。

仕事に対する満足をもたらす要因と、不満をもたらす要因が異なることを示した理論で、
前者を「動機づけ要因」、後者を「衛生理論」と呼びます。

具体的には次のようなポイントが挙げられます。

【動機づけ要因】
・達成感
・承認
・仕事そのもの
・仕事への責任
・昇進
など

【衛生要因】
・会社の方針
・上司の監督
・給与
・人間関係
・労働条件
・作業環境
など

動機づけ要因に挙げられるポイントが、
レベルの高いものになると満足感を高めることができ、
衛生要因のレベルを維持することで不満が起こらない環境をつくることができます。


ではこれを、会社を宿泊施設に、従業員をお客さまに置き換えて考えてみましょう。


 

非日常的なポイントと日常的なポイントが
満足感と不満足感をつくる

お客さまが旅館を選ぶときに基準になるのは“日常”と“非日常”です。

やはり遠方まで足をのばし旅行に来ているので、
非日常的な体験ができるとお客さまの満足度は高まります。
つまり「動機づけ要因」にあたるのは、非日常的な要素です。

ただ、旅館といえど、日常当たり前のように体験していることは求められるので、
日常が欠けていると不満につながってしまいます。
これが「衛生要因」にあたります。


では具体的に考えると、どのようなところがポイントになってくるのか考えてみましょう。

まずは動機づけ要因(=非日常的な要素)。
・料理(地元ならではの食など)
・風呂、温泉(広さ、効能、泉質など)
・部屋(広さ、雰囲気など)
・景観(海、新緑、夜景など)
・外観(おもむきなど)
など

日常では味わうことのできないものといえば、
その地ならではの料理や、普段は見られない景観、眺望などでしょう。
非日常的な要因はお客さまのワクワク感を引き出し、施設を選ぶ際の動機につながります。

ここに挙げたポイントはいずれも、宿泊予約サイトのアンケート結果で、
施設選びの重要なポイントとして上位にランクインしているものばかりです。
クチコミでも積極的な書き込みが目立ちます。

 
 
 

 

次に衛生要因(=日常的な要素)です。
・清潔感
・設備(ウォシュレット、デジタルテレビなど)
・備品(アメニティ、ドライヤー)
・おもてなし、接遇
など

ウォシュレットトイレや、ドライヤーなど、
普段あたりまえのように使っているものがポイントになってきます。
無いと不便さを感じ、不満が募ってしまうのです。

また、お客さまは旅館では「おもてなし」を受けてあたりまえ、と思っているものです。
クチコミでも、スタッフの対応に不満を感じたコメントをよく見かけます。
よほどおもてなしで名の通っている施設さま以外は、
おもてなしを満足度アップのための動機づけ要因とすることは難しいでしょう。

 
プラスポイントは大々的に演出し、
マイナスポイントはありのまま表現する

では、明確になった動機づけ要因と衛生要因を生かす施策を考えてみます。

まず、動機づけ要因の中からは、施設の“売り”になるポイントを拾い出しましょう。
そして、導き出された売りを最大限にアピールするようなウェブづくりを心がけます。

次に衛生要因。これは、ウォッシュレットトイレやデジタルテレビ、アメニティなど、
金銭的な問題で解決できない場合もあると思います。
そういう時は、きちんと現状を明記することが重要です。

隠してしまうと逆に、期待値とのギャップによって不満が生まれ、
マイナスのクチコミが殺到することになってしまいます。
不満が爆発したクチコミは、
感情的で極端に低い点数をつけられるケースが多いため要注意です。

フレデリック・ハーズバーグの理論によって明らかになった施設の売りと、
マイナスポイントをうまく表現して、よいクチコミがたくさんもらえるようにしましょう!

 
(文:メディアサービス室 坂本 真士)