【インバウンド集客】欧米の人たちを集客するには?
トリップアドバイザーの特徴と販促機能を解説
2024. 07. 04
最終更新 2024. 11. 06
目次
以前、下記の記事にて、欧米圏の多くの人々が海外旅行や訪日旅行を計画する際、トリップアドバイザーを活用していたことが分かりました。このことから、インバウンド集客において欧米人をターゲットにする場合、トリップアドバイザーでの施設の見え方は重要なポイントといえます。
そこで、本稿ではトリップアドバイザーの特徴や留意すべきこと、販促機能や掲載費用などについて紹介します。トリップアドバイザーを活用したインバウンド集客の施策を打つための参考にしてください。
欧米圏の集客にはトリップアドバイザーが重要である理由
まずはじめに、本稿でもトリップアドバイザーの利用率を簡単に紹介します。
以下の表は日本政府観光局(JNTO)がまとめた調査資料「訪日旅行データハンドブック2023」から、訪日客が多い欧米圏の国(アメリカ人・カナダ人・オーストラリア人・イギリス人)が、海外旅行をする際に利用する媒体を示したものです。
このように、欧米圏ではトリップアドバイザーを利用する人の割合が最も大き く、その割合は30~40%に及んでおり、欧米圏の訪日客を取り込みたい場合には、トリップアドバイザーでの自施設の見え方や評価・クチコミが重要になります。
トリップアドバイザーとは ?
トリップアドバイザーは世界最大の旅行クチコミサイトです。対応している言語数は28に及び、世界49の国と地域で展開されています。そして、トリップアドバイザーでクチコミを参照できるコンテンツは下図の6種類です。
この6つのコンテンツのクチコミ総数は約8億8,400件を超え、宿泊施設においては約800万件のクチコミが投稿されています。このように、トリップアドバイザーには世界中の旅行者が宿泊体験を通じて発見した宿泊施設の魅力や改善点などのリアルな声がたくさんの視点で掲載されています。
旅行者はトリップアドバイザーをどう使っているのか
旅行者はトリップアドバイザーを①情報収集、②比較検討、③予約の目的で使用しています。それぞれの目的について、詳しく解説していきます。
①情報収集
トリップアドバイザーは先述の通り、旅行活動に関わる様々なコンテンツの体験談(クチコミ)を情報収集できます。たとえ目的地が決まっていなくても、トリップアドバイザーが監修したコラムで“いま魅力的な旅行先や旅行スケジュール”の情報を収集・参考にできます。また、旅行先現地の位置情報から近隣のレストランや観光地を探せる点も、トリップアドバイザーの魅力です。
このように、トリップアドバイザーは旅マエに限らず、旅ナカにおいても旅行を充実させるための情報収集源として利用されています。
②比較検討
トリップアドバイザーでは、宿泊施設や航空券の比較検討が可能です。
例えば、浅草付近のホテルを検索するとします。すると、旅行者の評価をもとにしたランキング形式でホテルが表示され、Booking.comやExpedia、agoda、日本旅行のような複数の予約サイトの価格が比較できる仕様になっています。宿泊施設と航空券の価格も比較ができる仕様となっているので、旅行者はクチコミとコストを基準にした比較検討をしています。
③ツアー予約
トリップアドバイザーに掲載されているツアーは、トリップアドバイザー上で予約できます。行きたい観光スポットを含んだツアーを逆引きで検索することも可能になっているので、旅行者は情報収集から比較検討までの利用に終わらず、予約まで完了できます。
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以上のことをまとめると、旅行者にとってトリップアドバイザーは良い旅行をするための判断を助けてくれ、購入までを手伝ってくれる便利なサイトとして活用されています。まさに“トリップをアドバイザーする”という名称通りのサービスといえるでしょう。
宿泊施設にとってトリップアドバイザーが存在するメリット
宿泊施設にとって、トリップアドバイザー上に自施設のページが存在する最大のメリットを3つ紹介します。
①世界中の旅行者に対して情報を発信できる
先述の通り、トリップアドバイザーは全世界共通の旅行クチコミサイトとして最大規模です。ここで発信することは「旅行がしたい」という顕在化されたニーズをもった「世界中の人たち」に認知してもらえる機会に繋がります。
②予約サイト(OTA)よりも登録手間がかからない
トリップアドバイザーのオーナー登録、すなわち自施設のページ作成に必要な手続きは、メールアドレスとパスワードの設定のみのため、手軽に作成ができます。
③トレンドや業界の動向を知ることができる
トリップアドバイザーでは、世界的な旅行動向に関するコラムや独自の調査データを公表しており、インバウンド集客に注力したい宿泊施設にとって有益な情報を得られます。
一例として、2024年夏の旅行トレンド調査を公表しているのでご覧ください。
▼ホテル経営者様が知っておくべき2024年夏の旅行トレンド
トリップアドバイザーで留意すること(デメリット)
トリップアドバイザーで自施設のページを作成した場合、留意すべき点は2つあります。
①誤った情報が掲載されていないかチェックする必要がある
トリップアドバイザーでは、ユーザーが宿泊施設の情報を修正できる項目があります。ユーザーに悪意はないにせよ、誤った情報が掲載されている状態は宿泊施設としては不本意です。トリップアドバイザーで掲載されている情報が実際の情報と錯誤していないかのチェックは必須になってきます。そして、本来の情報と異なる場合にはオーナー専用ページから情報の修正ができます。
②口コミサイトでありがちな手厳しいクレームへの対応
トリップアドバイザーにも口コミへの返信機能があるため、お褒めの言葉に対する感謝と、至らなかった点に対する謝意や改善意思を示すことが大切です。ユーザーは他の宿泊客のリアルな声だけでなく、宿泊施設の対応も見ています。返信の内容から宿泊施設の人となりがうかがい知れるので、そのことを念頭に対応する必要があります。この点は国内予約サイトと対応は同じです。
トリップアドバイザーの掲載費用と販促機能
トリップアドバイザーの施設情報の掲載は無料です。また、予約サイトのような宿泊売上に対する手数料は基本利用では発生しません。ただ、有料の販促機能もあるため紹介します。
有料機能①:ビジネスアドバンテージ
ビジネスアドバンテージは、自施設の掲載ページをカスタマイズできる機能や、競合施設の分析情報を入手できる機能があります。ビジネスアドバンテージで利用できる主な機能は以下の通りです。
✓ プロモーション動画や写真を掲載できるカルーセル機能(スライドショーなど)
✓ 電話番号やメールアドレス、自社HPを掲載して直接予約を促す機能
✓ お気に入りのクチコミを自施設のクチコミページの上部に固定できる機能
✓ 特典や告知、割引率、特別料金などを掲載できる機能
✓ 競合のアクセス量やランキングの傾向を確認できる機能
✓ 掲載写真の反応に関するデータや設備やサービスについて競合施設と比較できる機能
なお、具体的な費用は設定されていないため、見積が必要です。詳細はコチラ
有料機能②:インスタントブッキング
インスタントブッキングとは、トリップアドバイザーで直接予約を獲得できる機能です。インスタントブッキング機能を利用すると、自施設の掲載ページに「トリップアドバイザーで予約」というボタンが契約条件に応じた頻度で表示されます。これにより、直接予約への誘導が促されます。ただ、トリップアドバイザー経由で成立した予約にはOTAと同じように手数料が発生するのでご注意ください。
ここでの契約条件とは手数料率です。手数料率は2パターン用意されており、宿泊費に対して15%もしくは、12%のどちらかです。この手数料の違いは、直接予約が取れるボタンが表示される頻度によって決まります。手数料と表示確率は下記のとおりです。
▼手数料レベル
手数料 15% : 少なくとも2回に1回の頻度で直接予約ボタンが表示される。
手数料 12% : 4回に1回の頻度で直接予約ボタンが表示される。
実際に宿泊があった場合のみ費用を払う仕組みのため、取り入れやすい機能ですが、どちらの手数料の方が良いのかは判断が難しいかもしれません。詳細はコチラ
有料機能③:スポンサー提供枠
スポンサー提供枠は、検索結果の上部に自施設の広告を表示できる機能です。いわゆるリスティング広告です。
最上部に表示されるため、当然ユーザーの目に止まりやすくなり認知数の向上が図られます。
スポンサー提供枠には大きなプロモーション効果が見込めますが、施設情報のページが魅力的に見える状態になっていなければ、アクセス数は増えても予約増加にはつながらないでしょう。スポンサー提供枠を使用する場合には、自施設の魅力を最大限に発揮できているページにしておくことが必要です。
詳細はコチラ
トリップアドバイザーで施設が情報管理するべきポイント
トリップアドバイザーのページを作成した際、宿泊施設側で情報管理するべきポイントは次の3つです。
① 写真
館内の様子を視覚的に伝えられる写真の管理は、最も重要なポイントです。
過去にTOTOが実施した「訪日外国人の宿泊施設へのニーズ調査」によると、特に欧米からの観光客は、シャワーブースやウォシュレットなど、日本独自の衛生設備を好む傾向があることが分かりました。水回りの写真は我々日本人には分からない魅力が隠れているのかもしれません。一般的な施設写真だけではなく、海外と大きく異なる日本の設備面は写真でPRすることがキーポイントとなるでしょう。
また、外国語表記の案内の有無も訪日客の宿泊先選びのポイントになります。外国語が表記されたメニューや施設案内をしている場合には、積極的に掲載しておきましょう。
トリップアドバイザー内の人気ランキングの仕組み
売上を高めるためには、トリップアドバイザーに限らずOTAでも掲載順位を向上させ、アクセス数を増やすことが大事になります。そこで、この章ではトリップアドバイザー内の人気ランキングの仕組みについて解説します。
トリップアドバイザーの人気ランキングの仕組み
トリップアドバイザーの人気ランキングは、ユーザーが宿泊施設に対して投稿したクチコミによって決まる仕組みとなっています。ランキングを決める要素は以下の4つです。
このように、トリップアドバイザーではクチコミの評価・投稿時期・件数・一貫性がランキングの決定に影響を与えています。
人気ランキングを向上させるには?
トリップアドバイザーで人気ランキングを向上させるためには、より多く、より最新で高い評価のクチコミを獲得することがポイントとなります。しかし、クチコミの内容や投稿数は宿泊施設側でコントロールできるものではありませんが、クチコミ投稿促進のための工夫は考えられます。
例えば、クチコミを書いてほしいときに「クチコミを集めているので、書いてくれませんか?」と漠然としたアナウンスをするのではなく、「料理に関してのクチコミを集めています。本日のお食事について率直なクチコミを書いてもらえませんか?」とアナウンスするほうが、人はクチコミを書く行動を起こしやすくなります。できるだけ具体的なアナウンスがポイントなので実践してみてください。もちろん、英語表記での案内チラシを用意してもかまいません。
施設情報登録までの流れ
トリップアドバイザーの施設情報登録の流れを解説します。まずは、自施設のページがあるかを確認します。以下のトリップアドバイザーのサイトにアクセスし、場所・施設名で検索します。
施設ページがすでに掲載されている場合
施設ページの施設名の横に「この施設のオーナー・管理者ですか?」という表示がされるので、アクセスします。もしくは、施設ページの中段より下に以下の表示がされているので、「オーナーとして登録する」にアクセスし流れに沿って本人認証※を行えば登録が完了です。ただし、オーナー確認には審査があり、おおよそ5日~最大2週間ほど時間がかかります。
※現在は写真付きの身分証明書もしくは掲載店舗への電話にて本人認証がされます。
自施設の情報が掲載されていない場合
①登録が無い場合、以下の「さっそく掲載する」から登録画面に移ります。
②以下の画面にある入力項目を入力しアカウントを作成します。
※Googleアカウント、Facebookアカウント、メールアドレスのいずれかで登録。
③掲載のリクエストを送信し、審査結果を1~2週間ほど待ちます。
審査結果で施設アカウントと管理画面が出来たことを確認し、写真の投稿や施設情報の入力を進めていきます。
アカウント作成後の設定方法は下記の公式サイトをご確認ください。
さいごに
トリップアドバイザーについて、いくつかの宿泊施設様から「トリップアドバイザーは勝手なことを書かれるから好きじゃない」という声をお聞きします。ただ、これまで紹介した通り、トリップアドバイザーで自施設のオーナー登録をすれば、悪質なクチコミや誤った情報は修正・削除できます。
インバウンド集客には消極的でも、日本人で利用しているユーザーも多いので、一度トリップアドバイザーで自施設の状態を確認し、情報修正できるようオーナー登録しておくことを推奨します。
欧米人だけではなく、日本人においても、トリップアドバイザーのほうが予約サイトよりも早いタイミングで施設との接点となっているパターンもあるでしょう。ユーザーとの最初の出会いの場面で誤った印象を持たれないよう、そして、良い印象を持たれるためにも自施設の“運用管理”という面でトリップアドバイザーを注視する必要があると考えます。
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