ホテル・旅館の補助金活用方法<前編>申請にかかる時間やおすすめの活用ツール、サービスとは?
2022. 06. 13
最終更新 2024. 11. 18
目次
▼前編
・補助金活用に向けたはじめの一歩
・作業時間と活用したツール
・宿が申請できる補助金項目
▼後編
・補助金の難易度・失敗談
・審査通過のマル秘テクニック
・補助金のメリットデメリット
取材協力
峡谷に佇む隠れ宿峡泉 補助金制度活用担当 大西拓也
2020年度「日本の小宿10選」に選出された、長野県天龍峡温泉にある「渓谷に佇む隠れ宿 峡泉」。全8室の隠れ宿は2022年に3回目のリニューアルOPENへ踏み出した。リニューアルを支えたのは様々な補助金制度だ。今回は補助金申請を担当した大西さんを直撃し、HP制作や写真撮影の部門にスポットを当て、メリットやデメリット、審査通過の裏技まで、根掘り葉掘り訊いてみた。
※この記事のご紹介事例はあくまで一例です。本件に関するお問合せは、下記の「お問合せ」よりお願いいたします。(渓谷に佇む隠れ宿 峡泉への直接のお問合せはご遠慮ください)※弊社での補助金申請の代行サービス等は行っておりませんので、予めご了承ください。
宿泊施設の補助金活用に向けたはじめの一歩
補助金を活用する為に、何から始めて、どのようなサービスを利用しましたか?
一番初めにやったことは、宿で働く従業員に実際の業務課題を聞いて回り、その課題に優先順位をつけて、改善策を考案することでした。宿の改善策の優先順位がみえてきたら、その条件を満たす利用可能な補助金を調査する作業に入りました。
▼参考にしたサイトはこちらです
┃ミラサポplus (運営元:経済産業省 中小企業庁)
└国の中小企業向けの補助金総合支援サイトでGビズID連携が可能
※GビズIDとは、補助金申請に必要な法人・個人事業主向けの共通認証システムです。
┃補助金ポータル (運営元:株式会社補助金ポータル)
└都道府県別で利用目的に応じた補助金を探すことが可能
計4つの補助金申請をしましたが、HP改修や撮影費として申請して採択されたのは2つでした。「信州安全・安心な宿魅力向上事業」では、新たな観光需要対策経費としてHPリニューアルや撮影、タブレットの導入費等を申請しました。「小規模事業者持続化補助金一般型」の方は、主に広告費として写真撮影やパンフレット、広告掲載費等を申請しています。
※小規模事業者持続化補助金で、HP制作を申請する場合は第8回以降より「ウェブサイト関連費」となります。詳細は公募要領をご確認ください。
困ったときの相談やわからないことの対処はどうしましたか?
公募要領を読んでも理解できない時は、理解できるまで補助金事務局サポートセンターと電話をしました。さらに、事業計画書で煮詰まった時は、「よろず支援拠点」や「商工会議所・商工会」といった支援機関先へ相談しました。
┃よろず支援拠点
補助金全般のご相談が可能です。国が各都道府県に設置した無料経営相談所で、「活用可能な補助金」や「業務委託先 業者の選定」など親身になって相談に乗ってくれます。アドバイザーによって経営全般・財務・人材・IT・販路拡大など得意分野が異なるので、事前にホームページをご確認下さい。
┃商工会議所・商工会
小規模事業者持続化補助金の相談はこちらがおすすめです。
※申請する事業所がどの管轄エリアなのかをお確かめの上ご相談ください
宿泊施設の補助金申請│作業時間と活用したツール
申請から交付までの流れと、かかった時間を教えてください
申請⇒審査⇒事業実施⇒交付までに約6か月かかりましたね。補助金や申請する事業によって審査が短くなる場合や、申請の流れが変わることもあると思うので一概には言えませんが、HP制作や撮影等の広告事業関連はこのぐらいかと思います。
申請工程で工夫したことはありますか?
事前に出した改善策をもとに補助事業予算表とガントチャートも作成しました。
申請する補助金ごとに、いつ、だれが、何をやるかを明確にして、作業工程の詳細を見える化することで、複数の補助金申請の管理をしやすくしました。
▼補助金予算表
▼ガントチャート
宿泊施設が申請できる補助金項目とは
◆宿泊業に関わる主な補助金項目
┃販路開拓
新たな販路開拓 (HPやECサイト制作)
生産性向上 (生産強化に向けた施設改修工事等)
┃設備投資
新たなサービス開発 (テイクアウト関連機材購入etc…)
┃IT化
ITツール (サイトコントローラー/PMS・自動チェックイン機etc…)
┃人材
採用関連 (リクルートサイト/説明会実施費用etc…)
育成関連 (人事労務管理システム/導入研修費用etc…)
┃事業継承
税制軽減 (事業相続の贈与税/相続税納付の猶予・免除etc…)
※現在、地方自治体の補助金事業は終了しているところもございますので、必ずご確認ください。
小規模事業者持続化補助金は以下のスケジュールで公開されています(2022年6月3日時点)
・第9回締め切り (2022年9月中旬)
・第10回締め切り(2022年12月上旬)
・第11回締め切り(2023年2月下旬)
いかがでしたでしょうか。今回は、補助金についての実体験(前編)をおおくりしました。