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<2023年秋冬>国内宿泊旅行の予約動向見通し~気になる傾向と集客ポイント~
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<2023年秋冬>国内宿泊旅行の予約動向見通し~気になる傾向と集客ポイント~

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2023. 11. 02

最終更新 2024. 10. 15

<2023年秋冬>国内宿泊旅行の予約動向見通し~気になる傾向と集客ポイント~のキービジュアル

目次

    先日、観光庁が公表した宿泊旅行統計調査によると、2023年9月単月の宿泊者数が日本人、訪日外国人ともに、2019年同月を上回っている結果(第1次速報値)となり、コロナ禍からの完全復活を象徴する月となりました。
    では、本格的に復活した国内旅行需要のなかで、この先の動きはどのように推移しているのでしょうか。今回は主に弊社のデータを基にした直近の予約動向と最近の旅行トレンド、集客のワンポイントをご紹介したいと思います。

     

    2023年5月~9月の客室稼働率を振り返る

    先にこれまでの振り返りとして、宿泊施設タイプ別の客室稼働率をご紹介します。ご自身の施設の稼働率と全国平均を照らし合わせ、成績をつけてみてください。全国平均よりも悪い場合は、12月の集客が厳しくなることが予想されます。

     


    ※参考元:観光庁宿泊旅行統計調(第1次速報値)

     

    2023年秋冬の予約動向

    11月以降のオンハンド昨年同日比較

    では、11月以降のオンハンドを確認していきましょう。
    弊社のデータにはなりますが、2023年11月1日時点でのオンハンド昨年同日比を見ると、11月は93%、12月は79%の動きでした。

    今年の11月は昨年よりも予約の動きが遅く、12月は他の月と比べると更に予約の動きが遅い状態です。ただ、昨年は、10月から再スタートした全国旅行支援の影響で10月~12月に予約が集中していたこともあり、イレギュラーな年だったということも忘れてはいけません。

     

    コロナ前の2019年の同日と比較すると、11月12月共に106%、1月に関しては89%という状況になっています。12月、1月は弱い傾向があるので、コロナ前のデータとも比較しながら対策を打っていく必要があります。
     

     

    2023年11月~2024年1月までの客室稼働率

    次に稼働率を見ていきましょう。
    全国的な動きとして、年末年始の動きが12/28から始まり、1/3までと例年よりも若干長い傾向があります。年末年始をゆっくり過ごすために少し日をずらしている様子が伺えます。

    以下は弊社のデータを基にした客室稼働率の全国平均です。

    東日本と西日本でピークのタイミングは異なりますが、11月はどのエリアも順調に伸びてきています。ただ、東日本では11月中旬以降、少し伸び悩みがみられます。

     

    12月の動き

    12月の動きについて、全国的な傾向としては、10月に発生した先予約は11月が多くなっており、先述の通り、12月の動きは遅いことが分かります。
    大規模統計データの観光予報プラットフォームでも、12月上旬、中旬は全国的に動きが悪く、現時点では多くのエリアでファミリー層が少ない状況です。12月で最も動きが悪いのは、第3週の12/10~12/15の期間です。そんな中でも、夫婦・カップルでの宿泊が若干動いているので、2名宿泊の予約が直近に入るというパターンが多く見受けられるかもしれません。

     

    年末年始の動き

    年末年始に目を向けると、各地域の温泉地は非常に動いており、3名以上のグループ宿泊も徐々に増えてきました。

    3名以上での宿泊割合が特に多いエリア
    岩手県つなぎ温泉 栃木県那須塩原市 日光市
    群馬県伊香保温泉 万座温泉 草津温泉 
    静岡県熱海市 岐阜県高山市 石川県和倉温泉 大分県別府温泉

     

    その他の温泉地でもグループ宿泊が戻ってきていますが、注意しないといけないこととして、グループで賑やかに過ごす人と、年末年始を静かに過ごしたい人との棲み分けに気を配る必要があるでしょう。クチコミへの影響が懸念されます。
    さらに、気になる点として、一部の都市では年末年始の動きが非常に悪い状態にあります。(秋田市、水戸市、宇都宮市、富山市、金沢市、福井市、名古屋市、岡山市)これらの都市にある施設は早めの集客対策に動いたほうがよさそうです。

     

    1月の動き

    1月の予約については、まだまだこれからですが、山形県蔵王温泉や新潟県赤倉温泉、越後湯沢温泉、長野県野沢温泉などの一部のエリアではすでに大きく動き始めています。
    今年の冬はエルニーニョ現象の影響で暖冬が予想されています。冬イベントやスキー客の取り込みに影響があると予想されますが、反対に、日本海側は雪の影響が少なくなるため、例年積雪で客足が鈍っていたエリアに人が戻ってくるかもしれません。
    (ただし、日本気象協会によると、日本近海の海面水温が高い状態が続いているため、大雨や大雪が局所的に発生する可能性があると予想しています。)

     

    各地域別の11月~翌年1月までの予約動向をまとめています。気になる方は以下からダウンロードしてください。さらに詳細地域の動向については、弊社の担当者にお問い合わせください。

    地域別客室稼働率をダウンロードする

     

     

    2023年の旅行・宿泊ニーズと傾向

    おこもりからアクティブな旅へ回帰「食」は変わらず重要

    コロナ禍中に人気のあった「おこもり旅」での旅館のニーズが減少し、ビジネスホテルのニーズはコロナ前を上回る伸びになっています。以下は、じゃらんリサーチセンターが調査した、宿泊旅行のなかで利用された宿泊施設のタイプ別割合です。

     


    引用:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査2023」より コロナでどうなった?国内旅行のビフォー/アフター

     

    宿泊旅行の目的でも、コロナ禍中には大きく伸びていた「宿でのんびり過ごす」「温泉や露天風呂」は減少し、その代わりに「名所・旧跡の観光」「テーマパーク」「買い物」「お祭り・イベント」「スポーツ観戦・芸能鑑賞」「街歩き・散策」等のアクティブな項目が回復しています。

     


    引用:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査2023」より コロナでどうなった?国内旅行のビフォー/アフター 

    このことから、ホテルを拠点にして愉しむ“アクティブな旅”の需要が回復していることがわかります。 そんな中、変わらず旅の目的として重要視されているのが「食」です。 「宿」や「温泉」を目的にした旅は減少したにもかかわらず「食」に関しては減少せず、国内旅行において旅行者が「食」を引き続き重要視していることがよく分かる結果になっています。 アクティブな旅へのニーズの変化と物価上昇等によるコスパ志向も影響してか、朝食付きや素泊まりの需要が増えています。じゃらんリサーチセンターによると、22年度と21年度では朝食付きの選択が1.7pt、素泊まりに関しては3.5ptもUPしています。

     


    引用:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査2023」より コロナでどうなった?国内旅行のビフォー/アフター

    このことから、旅の目的が「食」であることは変わりないですが、「食」といっても、宿泊先で籠って食べるものとは限らず、「現地食ニーズ」が高まっていることがわかります。

     

    秋(9月~11月)は「夫婦旅行」「宿でのんびり過ごす」人も増える

    とはいえ、秋(9月〜11月)のシーズンだけで見ると、季節柄、宿でのんびりと過ごしたい人も多い結果となっています。希望する宿泊施設は「旅館」と答えた割合が高いです。秋(9月〜11月)は「夫婦旅行」の占める割合が高く、年末年始は「子連れの家族旅行(18歳未満の子との旅行)」の占める割合が高まります。
     

    引用:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査2023」より 

     

    2023秋冬のWEB集客アドバイス

    OTAの宿泊施設情報・HP情報の見直し 

    じゃらんリサーチセンターによると、旅行先の選定時に重要視する情報として「旅行予約WEBサイトの宿泊施設情報」が1位に。更に「公式のHP情報」が2位、「旅行予約WEBサイトのクチコミや評価情報」が3位という結果になっています。今一度OTAの施設情報やHPの情報が適切で魅力的な状態か見直しておきましょう。

     

    ▢ 秋や冬の滞在を連想させるイメージ画像になっているか
    ▢ 秋のお品書きが変わる場合は、料理イメージを変えているか
    ▢ ブログやリンク先のSNSに周辺の紅葉情報や、イベント情報をUP出来ているか
    ▢ 詳細の設備情報等が古くないか

     

    1泊朝食付と素泊まりの対策

    朝食に関しては、物理的に豪華に変えるのではなく、朝食に「コンセプト」や「意味」をもたせるなど、提供方法や魅せ方を変えることで朝食の印象をガラリと変えることができます。

    素泊まりは、直前までの受け入れができているかどうかも重要になります。手じまい時間を今一度ご確認ください。
    また、コスパ志向・現地食ニーズ等の傾向を見越して、周辺のレジャーやアクティビティのチケット付きプランの作成や予約のサポート、周辺飲食店MAP等で情報をわかりやすくまとめる等の、旅行を手助けする、コーディネートする工夫も重要です。更に、料理等に意識が向かない分、館内や客室のアメニティや清潔感で、より満足度上げる必要性もでてきそうです。

     

    2泊3日の連泊需要も視野に入れて

    販売方法のひとつとして、弱い日程と人気日程を抱き合わせた連泊プランで売れ残りを少なくするという方法があります。低稼働日程を1泊目または2泊目に含むことで、売れ残りを少なくする手法で、単純な値下げを行うよりも、「連泊割引」や「連泊特典」といった連泊の特性を活かしたお得感の演出で積極的に売り出していくことが出来ます。
    じゃらんリサーチセンターによると、コロナ禍中には泊数も短期化傾向が強かったですが、コロナが明けてからは2泊3日の旅が増加しています。
    特に、周辺にレジャーや観光資源が沢山ある施設、自然をゆっくり体験できるコテージ、地方への里帰りで利用される施設等は連泊の需要も高くなるので、販売方法や表現の工夫をしてもいいでしょう。

     

     

    さいごに

    旅行支援に比べると先予約の動きに物足りなさは感じるものの、コロナ前と比べれば全体的にここ1年で回復傾向にあり、国内旅行の予約は本格的に復活しているといえます。ただ、この1年の度重なる物価上昇と全国旅行支援での価格のギャップ等も影響しているのか、宿に求めるニーズも少しずつ変わってきています。宿泊先の目的で重要視されやすい「食」は現地食のニーズが高まっていたり、アクティブな旅を目的として宿を選ぶ人も増えてきています。

    昨年だけでなく、コロナ前のデータとも比較しつつ、行楽シーズンの取りこぼしがないように注力していきたいですね。

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