戦略的に「ソロ旅・一人旅」を集客するヒントとは?軽視できないおひとり様需要
2022. 07. 11
最終更新 2024. 07. 22
目次
ここ数年、新型コロナウイルスの影響もあり、日本人の国内旅行は大きく減少している中でひとり旅の数だけは減少幅が小さかったことをご存知でしょうか。今まではただなんとなく受け入れていた「おひとり様」も今では軽視できない規模にまで市場が広がっています。
今回は、最近のソロ旅事情をおさらいしながら、積極的かつ戦略的に「1名」を取り込むヒントを
紹介していきましょう。
ソロ旅って何?
ソロキャンプ、ソロ登山、ソロライドetc….最近なにかと話題になりやすい「ソロ活動」。
その中でも、ソロ旅(ひとり旅)は、新しい旅行スタイルのひとつとして浸透しています。
従来の「ひとりぼっち」「お独り様」といった孤独なイメージとは違い、ひとりを好んで選択し自分の休日や有休を使って、「ひとり時間・ひとり旅行」を有意義に楽しむ旅行のことをソロ旅といいます。
ソロ旅ユーザーは、一緒に行く相手がいないわけでも、複数で旅行に行く楽しさを知らないわけでもありません。世帯、性別、年代に関わらず、「1人でも楽しめる」という選択肢が増えたことで「ひとり旅」に対する目線や印象が変わってきたことが、従来のひとり旅との大きな違いです。
また、スマートフォンやSNSの普及で、1人で過ごしていてもインターネット上でいつでも誰かと繋がる環境になったこともあり、若い世代の女性の需要が高まっていることも特徴の一つです。
昭文社ホールディングスのコトリップによる女性へのアンケート調査(2021年2月)をみても、これから行きたい旅スタイルは「ひとり旅」がトップになっています。また、フリー回答では、「ひとり」「気楽」「気まま」「自分のペース」「コロナ禍」「少人数」などのキーワードが多く頻出しました。
ソロ旅(ひとり旅)を「戦略的」に取り込む
現代のソロ旅ユーザーのニーズや傾向が変化しているので、受け入れる旅館・ホテル側も認識をアップデートしていく必要があります。ただ1名を受け入れる従来の考え方ではなく戦略的に目的をもって1名を受け入れる方法をとっていきましょう。
〚目的1〛SNS・WEB上での拡散効果を狙う
スマホが普及した今、自分のポジティブな活動や感想をSNSで報告するユーザーは非常に多くなりました。
ソロ旅だと時間を持て余すこともあり、SNSへの投稿率は上がります。
つまり、滞在時の感想や滞在イメージを「写真」や「文章」で、まだ見ぬ潜在的なユーザーへ自然に広げてもらいやすいのです。このことを上手に活用すれば、とても効率のいい広報活動になります。また、「ソロ旅」や「おひとりステイ」などのイマドキのキーワードを、自社HP・各OTA・SNSに打ち出すことで
WEBメディアや旅行インフルエンサーの目に留まり、話題にしてもらえる可能性もあります。
\こんな課題があるならお勧め/
✔ 宿発信のSNS対策が十分にできていない
✔ WEB広告費の予算をたくさん確保できない
✔ SNSの対策に力をいれたいが何からすればいいかわからない
〚目的2〛口コミ投稿数を増やす
上記のSNSと同じ理由から、2名以上の宿泊より1名宿泊のほうが、OTAなどの口コミも投稿してもらいやすい
傾向にあります。2021年1月~2022年7月迄の期間で弊社ご契約施設様の予約数に対する口コミ投稿率を比較したところ1名利用の口コミ投稿率は、2名以上の口コミ投稿率の約2倍あることがわかりました。
(筆者調べ/1人旅プラン作成宿が対象/調査対象期間2021年1月~2022年7月/予約件数(※キャンセルも含む)に対する口コミ投稿件数で比較)
さらに、ソロ旅は「スケジュール・予算・価値観」を他人に合わせながら決めることが無いのでより自分が納得する旅館・ホテルを選ぶことが可能です。ですので、予約時のイメージと実際の宿泊時とのギャップによる不満が生じにくいユーザーとも考えられるでしょう。滞在時の印象がいいと、「また別の機会で違う人と来よう」なんてことにもなりやすいですよね。つまり、口コミの対策をしたい旅館・ホテル様にとっては戦略的に集客すべきターゲットになり得ます。
\こんな課題があるならお勧め/
✔ 口コミがなかなか増えなくて悩んでいる
✔ 良い口コミを増やしたい / 点数をあげたい
✔ 掲載順位を上げたい(各OTAの掲載順位は口コミ点数や数も評価基準に含まれます)
〚目的3〛平日や閑散期の集客対策
ソロ旅をする理由に、「リフレッシュ」や「自分へのご褒美」「有休を有意義に使う」「密回避」などが挙げられることが多く、ソロ旅ユーザーは混雑していない時期を好む傾向があります。有休を利用して、人が少なく料金も比較的手頃な平日に宿泊を検討することも多くなるので、宿側としては閑散期や平日の稼働底上げにも繋がります。また、フットワークも軽く予定を組みやすいので、直前でも気軽に予約を検討してもらえます。
つまり、「平日やオフシーズンだからこそ提供できる価値」にフォーカスして情報発信すれば閑散期対策のターゲットにもなり得ます!
\こんな課題があるならお勧め/
✔ 周辺に観光資源が多く、休日や連休が稼ぎ時で平日は稼働があまりよくない
✔ 閑散期に予約が入っている日の部屋稼働をもう少し上げたい
✔ 直前までしっかりお部屋を売りさばきたい
ソロ旅(ひとり旅)を受け入れる対策とヒント
では、実際にどういった打ち出し方や受けいれ体制をとると、
ソロ旅ユーザーは心惹かれるのでしょうか。
受け入れの対策とヒントをお伝えしていきましょう。
◆不安要素を解消し、1人でも来やすい状況を作る
まず、ひとりで旅行する時の不安材料を知り、宿ができることを考えてみましょう!
(治安は旅館・ホテルだけの問題ではなくなるので今回のお話には入れていません)
Q.一人旅で不安なことは
OZmall調べ 実施期間:2021/4/1~2021/4/13 N=906人
『一人での食事を楽しめるか不安』
・食事会場での席配置をファミリーから離す・他のお客様と目線が合わないような工夫など
静かに過ごせるように配慮する
・お部屋食が可能な場合はお部屋食をアピールする
『時間を持て余さないか不安』
・周辺滞在マップに徒歩圏内のフォトスポットや、穴場スポットを盛り込む
・お部屋での滞在時間が長い夜に「地酒の晩酌セット」などをつけて提案する
『宿泊料金が高くなることが不安』
・閑散期や平日はひとり旅プランを作成して誘導する
・直前割プランや早得プラン等にも1名受け入れを作る
・SNS投稿や口コミ投稿をすれば特典があるようなプランを作る
※その他、受け入れが可能な日だけ、1名を設定する等、販売プランと料金の調整を
こまめに工夫することで1名受け入れの「マイナス面」をカバーすることが出来ます。
さいごに
今後、新型コロナウイルスが落ち着けばさらに旅行需要は戻り、2名以上の予約も増え、インバウンドも回復してくるでしょう。しかし、コロナ禍で「ソロ旅も楽しい」と気づいた人たちや憧れを持った人たちは多いはずです。ソロ旅の需要はさらに拡大していくと考えられます。
これを機に、「自分たちが出来ること」と「おひとり様の行動特性」を照らし合わせて、ソロ旅を戦略的に受け入れてみてはいかがでしょうか。
『1名受入れについて相談してみたい』
『新プランを作成するのは面倒で時間がない』
『1名受け入れ設定を細かく調整するのが面倒くさい』
『どこに、どんな情報を書いて、どんな特集に参画すればいいのかわからない』
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