Googleホテル広告とは?リスティング広告とホテル広告との違いや特徴、出稿手順を解説!ホテル広告運用6つの極意
2023. 08. 08
最終更新 2024. 06. 25
目次
ホテル、旅館含め宿泊業界において、WEB集客を増やすためには効果的な広告戦略が欠かせません。その中でもGoogle広告は多くの企業がオンラインでの存在感を高めるために利用している強力なツールです。数あるGoogleの広告手法の中で、ユーザーの宿泊予約行動に特化した「Google ホテル広告」があることをご存じでしょうか?
今回は、Google広告の中でも、代表的なリスティング広告と宿泊施設専用のホテル広告の2種類に焦点をあてて、違いや特徴、効果的な出稿手順について詳しく解説します。さらに、「ホテル広告」の運用における成功のための6つの極意についても探っていきます。
Google広告とは
圧倒的シェアを誇るGoogleが提供しているプラットフォームに掲載できる広告のことです。目的に応じて、リスティング広告やディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告などの広告を配信することができます。
リスティング広告とホテル広告の違い
リスティング広告(検索キャンペーン)
Google広告の中でも代表的なもので「リスティング広告」があります。特定のキーワードで検索された際に、自社HPなど指定のサイトを検索結果の上位に表示させる広告です。
事前に設定したキーワードで検索され、クリックされると課金されるシステムで、通常の検索結果とは区別して表示されるため、広告として認識されやすいです。Google広告はホテルの空き状況とは連動しておらず、ユーザーが広告で掲載される自社HPをクリックし、自ら詳細を確認する必要があります。
Googleホテル広告(ホテルキャンペーン)
一方、ホテル広告はGoogleが提供するホテル専用広告のことを指します。
Googleホテル広告を利用することでGoogle検索、Googleマップに表示されるホテル検索ユニットにホテルの空き状況と料金を表示できます。
以下のように地域名/ホテル名で検索すると検索結果画面でそれぞれに適したホテル情報を表示してくれます。
更に、宿泊施設名をダイレクトで検索(指名検索)した場合は、自社のホテル情報をより詳細に表示してくれます。
表示される施設情報には施設の写真だけでなく、リアルタイムの空き状況や価格、位置情報、設備情報が表示されるため、ユーザーが知りたい施設のおおまかな概要が一目で認識できるようになっています。ホテル専用広告なので空室状況や料金も予約導線にもなり得ます。
2022年3月から、Googleホテル広告のうち無料で掲載できる枠をOTA(オンライン予約会社)だけでなく一般の宿泊施設にも開放しました。
ただし、有料の枠の方が優先的に表示されるため、クリック率に差が出ます。
ホテル広告に参加し、有料リンクを使って広告を掲載することで、より多くのユーザーの目に留まり、その結果、サイトへのアクセス数をさらに増やせるでしょう。
リスティング広告とホテル広告それぞれのメリット
Googleリスティング広告のメリット
細かなターゲティングが可能
リスティング広告は幅広いビジネスに適用可能であり、特に製品やサービスをオンラインで販売する企業にとって効果的です。ユーザーの検索ワードと関連性のある広告が表示されるため、細かなターゲティングが可能でターゲットとするユーザー層にダイレクトにアプローチすることができます。
曜日や時間も選択できるのでターゲット層の行動パターンに合わせて曜日・時間を設定すれば、より効率よくリスティング広告を配信することが可能です。
低価格からでも運用を開始できる
リスティング広告は、クリック課金方式を採用しているため低価格からでも運用を開始できます。
広告主側が自由に広告予算を設定できるので、予算に合わせて無理なくリスティング広告を運用可能です。
極端な例になりますが、1日あたり数百円ほどの予算でもリスティング広告を出稿できます。ただし、実際の広告表示回数は設定した広告予算に大きく左右されます。広告予算が低いほど、広告の表示回数は少ないです。広告表示回数と予算額のバランスを見ながら、予算を調整していくことも必要になります。
比較的早く効果が出やすい
リスティング広告運用は、比較的早く効果を出しやすい点も特徴になります。
広告費用さえかければ、自然検索の結果表示よりも上位に表示することが可能です。(但し、Googleのリスティング広告ではクリック単価だけが評価基準ではなく、自社WEBサイトの品質スコアも広告順位に大きく影響します。)
仮に、自然検索で上位表示するとなるとSEO対策で成果を出し、Googleのクローラーがサイト評価をしてもらうまで、数か月以上はかかります。この点、リスティング広告であれば数日~数週間ほどで運用効果を得ることが可能です。短期間で集客を高めたい場合に、リスティング広告は最適といえるでしょう。
また、広告の管理画面でクリック率や表示回数など各種データを詳細に把握できます。このため、広告効果の可視化・効果検証を行いやすいです。広告管理画面の分析指標は、アカウントさえ持っていれば無料で利用できます。別途分析ツールを導入する必要もありません。
Googleホテル広告のメリット
検索と並行して自社予約サイトへの導線が作れる
Googleホテル広告は、ユーザーが宿泊先を検索する際、宿泊施設情報のみならず、ホテルの空き状況や料金等の予約に関する詳細、予約リンクも提示されるため、予約転換率を上げることにもつながります。
特定の地域の宿泊施設を探しているユーザーを引き付け、更にOTAのみならず自社予約サイトまで最短で誘導できます。
費用体系を選択できる
Googleホテル広告は、費用体系を選べます。ユーザーが広告をクリックした際に費用が発生するクリック課金、予約が発生した際に費用が発生するコンバージョン課金など、好みのタイプを選択可能です。
ローカル検索に強い
モバイルデバイスを使ったローカル検索時に、非常に使いやすい点もメリットとしてあげられます。
地域を基準に検索するだけでなく、特定のホテル名を指定して検索するユーザーにも使いやすい画面遷移が提供されており、異なる宿泊先を簡単に比較できる点も際立っています。
通常、ホテルの検索を行う際には、テキスト広告(通常は上部に表示)とオーガニック検索結果が組み合わされて表示されます。しかしながら、特定のキーワード「宿泊」や「ホテル」などが入る場合は、ホテル検索ユニットがテキスト広告よりも優先して表示されやすくなります。
リスティング広告とホテル広告の出稿手順
リスティング広告の出稿手順
Google広告アカウントを作成
Google広告にアクセスし、ページ右上の「いますぐ開始」をクリックするとアカウント作成がスタートします。あとは誘導に従って情報などを入力すれば、アカウント作成完了です。
配信条件の設定
Google広告のアカウントが作成できたら、さっそく広告を作成します。「新しいキャンペーンを作成」をクリックするとスタート可能です。「キャンペーンで達成したい目標」を選択し「キャンペーンタイプ」で「検索」を選んでください。キャンペーン設定画面が表示されるため、配信地域・配信開始日と終了日・1日あたりの予算など、詳細を入力します。
広告文の作成
次に、広告文を作成します。広告の見出しや説明文、リンク先のURLなどを入力してください。入力が終わったら「保存」をクリックし、審査の完了を待ちます。審査に要する時間は5分〜1営業日以内が目安です。
Googleホテル広告の出稿手順
Googleホテル広告の出稿手順について、解説します。
Googleホテル広告を出すための前提条件
Googleホテル広告を出すための前提条件として、下記の3つが挙げられます。まずはこれらを準備しましょう。
✓ Googleアカウントが必要
✓ 自社予約ASPを連携させる
✓ Googleビジネスプロフィールの情報を充実させる
ホテル広告に参加
ホテルの料金が予約ASPと直接接続されている場合は、施設様自身でホテルのキャンペーンを作成します。ホテル料金がOTA(予約サイト)などを介して接続している場合は、各OTAに問い合わせてホテル広告を開始してください。
ホテルキャンペーンでは、ユーザーが Google 検索または Google マップでホテルを検索した際に表示されるホテル広告に入札が可能です。これらの広告は、ホテル予約モジュールに表示されます。ホテル予約モジュールには、ホテルの写真、設備、料金、ホテルを予約するためのリンクの表示が可能です。
Googleホテル広告運用6つの極意
せっかくGoogleホテル広告を運用するなら、成果を出したいですよね。より効果を発揮させるには、運用する際の極意を知っておくことがポイントです。そこで、Googleホテル広告運用の6つの極意について、紹介します。
1.Googleホテル広告パートナーを利用
Googleホテル広告の出稿作業は、初心者にとっては難易度が高めになっています。そのため、Googleホテル広告パートナーの利用がおすすめです。Googleホテル広告パートナーを利用すれば、Googleホテル広告出稿をサポートしてくれます。
作業は全て代行してもらえるため、手間がかからずホテルの運営に集中できます。また、Googleホテル広告以外の媒体にも出稿可能なため、さまざまな媒体でホテルの宣伝が可能です。より多くのユーザーにアプローチし、新たな顧客を獲得できます。Googleホテル広告パートナーの利用には費用がかかりますが、その分メリットも多いです。
2.ローリスクな課金方式を採用
前述した通り、Googleホテル広告は費用形態を選べます。できるだけローリスクな課金方式を採用しましょう。
費用形態の種類は下記の3つが挙げられます。
■クリック課金:ユーザーが広告をクリックすると費用が発生するシステム
■コンバージョン課金:予約が成立すると費用が発生するシステム
■コンミッション課金:実際に顧客が宿泊した際に費用が発生するシステム
宿泊施設にとって大きな問題の1つに「キャンセル」があります。クリック課金で広告費を払ったあげく、予約が入らなければ損ですよね。そんなリスクを避けられる課金方法が、コンバージョン課金です。コンバージョン課金は、予約が成立した時点で広告費が発生します。
ホテルにキャンセルは付きもののため、この課金方法を採用するのが安全でしょう。また、コンミッション課金という方法もあり、これは実際に顧客が宿泊した際に広告費が発生します。この方法が最もローリスクです。そのため、コンバージョン課金、コンミッション課金は始めやすいおすすめの広告形態となっています。
3.競合のホテルと比較
Googleホテル広告は、ほかのホテルと一覧で表示されます。そのため、事前に競合のホテルと比較しておくことが大切です。まずは競合のホテルがGoogleホテル広告を出稿しているか確認しましょう。
もし出稿している場合は、自社の料金プランと比較してみてください。その際、ユーザー目線で比較することが重要です。ユーザーは競合ホテル同士の料金プランを必ずと言っていいほど比較します。もし改善点が見つかった場合は、プランを練り直してみましょう。
4.自社サイトを充実させる
Googleホテル広告を運用することで、自社サイトへのアクセス率がアップします。せっかくアクセスしてもらったなら、そのままホテル予約まで持ち込みたいですよね。そのためには、自社サイトを充実させておく必要があります。自社サイトでホテルの魅力を伝えられていなければ、アクセス率が上がったところで本末転倒です。
ホテルの内観・外観を分かりやすく撮影できているかなど、細かい点までチェックしましょう。サイト自体が見やすいかどうかも大きなポイントです。自社サイトにアクセスしてくれたユーザーをそのまま予約まで持っていくイメージでサイトを構築してください。
5.口コミを投稿してもらう導線を作る
ホテルにとって、Googleビジネスプロフィールの口コミはとても重要です。ホテルの自社サイトのみ参考にするのは不安なユーザーが、口コミを参考にします。そのため、口コミがあまりにも少なければユーザーは不信感を抱くでしょう。そうならないためにも、顧客に口コミを投稿してもらう導線を作っておくことが大切です。
例えば「口コミ投稿してくれた方には〇〇をプレゼント」「口コミ投稿してくれた方は宿泊料金500円オフ」といったキャンペーンを作っておく方法があります。口コミを充実させ、信頼感のあるホテルとユーザーに認識してもらいましょう。もちろん、いい口コミをもらうために普段からホスピタリティを充実させることが大前提です。
6.最新の情報を掲載する
Googleホテル広告をする場合、Googleビジネスプロフィールを最新の情報にしておく必要があります。うっかり古い情報をそのまま掲載していると、ユーザーが間違った認識をするでしょう。その結果、トラブルに発展する可能性があります。
一度でも情報の掲載に誤りがあれば、ユーザーはホテルに不信感を抱くに違いありません。それがホテルへの評価にも繋がるため、細心の注意を払いましょう。
さいごに
リスティング広告とホテル広告は、それぞれ異なる特徴を持ちながらも、効果的なオンライン広告キャンペーンを実施する上では、欠かせないツールのひとつとなっています。
どちらの広告形式も、効果的に展開するためには、戦略的なステップを踏んで出稿することが重要です。広告の目的やターゲットを明確に定義し、予算の設定やキーワードの選定、広告文の作成などを慎重に行うことが求められます。そして、キャンペーンが始まった後も、データの分析と最適化を継続的に行いながら、より良い結果を追求していくことが重要になります。
今回ご紹介したものはキャンペーンは2種類だけですが、最近はYoutubeと連動した動画広告も注目が集まっています。是非これを機に、自社に見合った効果的な広告キャンペーンを選定し、運用の検討をしてみてはいかがでしょうか。