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【宿泊業のインバウンド集客に】インバウンド客のアンケート結果から見る4つの集客ポイント
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【宿泊業のインバウンド集客に】インバウンド客のアンケート結果から見る4つの集客ポイント

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2022. 12. 27

最終更新 2024. 06. 24

【宿泊業のインバウンド集客に】インバウンド客のアンケート結果から見る4つの集客ポイントのキービジュアル

目次

    街に出ると、海外からの旅行者とみられる方々とすれ違う機会がとても増えました。
    2022年10月に実施された水際対策の大幅緩和から確実にインバウンドが回復しつつあると身をもって実感しています。

    そこで今回は、アフターコロナでのインバウントの傾向と宿が出来ることを簡単にお伝えし、今年最後の記事とさせていただきます。

    インバウンドは2023年の観光・宿泊業にとっても重要なテーマです。
    是非最後までお付き合いください!

    アフターコロナのインバウンド傾向

    (株)日本政策投資銀行(以下「DBJ」)及び(公財)日本交通公社(以下「JTBF」)が共同で行った「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2022年度版」(調査期間:2022年6月21日~7月4日) のデータによると 日本は次に観光旅行したい国・地域で1位に選ばれています。
    アフターコロナでのインバウンド観光需要について期待が出来る中、コロナ以前と比べ新しい傾向はあるのでしょうか?
    順番にデータを見ていきましょう。


    以下「DBJ・JTBFアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2022年度版」 のデータを元にグラフを作っています。
    引用資料:https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/7ccfe6956b812ca76e024b7356e96093.pdf

    リピーターには地方が人気!アジアで9割、欧米豪で約8割が地方への訪問意向あり

    日本へ来たことがあるリピーターたちは、都心ではなく、地方への訪問意向が高い傾向にあります。
    特に、アジア諸国の訪日リピーターの地方への関心は高く、都心でのモノ消費から地方でのコト消費(体験型)にニーズが移行しています。理由は、ここ数年アジアで様々なSNSが盛んになった背景があるとされています。
    一方、欧米豪では、リピート率関係なく地方訪問の意識が高いようです。
    社会的に長期間のバカンスを利用した滞在が可能なことや、元々自然アクティビティ自体が、馴染み深い活動であることが多く、訪日しても地方で自然アクティビティを楽しむ傾向があると考えられます。
    また、リモートワーク等の普及により、より長期滞在が可能になったことなども、地方訪問の時間的ハードルを下げている可能性があります。

    地方で希望する体験=アジアは「温泉」・欧米豪は「自然や景観」

    地方で体験したいことでは、アジアは欧米豪と比べ、温泉、花や紅葉、雪景色、ウィンタースポーツの選択率が高い傾向にあります。特に、「温泉」の選択率を国・地域別にみると、上位8位を全てアジアの国・地域が占めており、その土地ならではの食事体験や特産品の購入も選択率が高いことが分かります。
    また、その土地ならではの食事体験や特産品の購入も選択率も欧米豪と比べ高い結果に。
    一方、欧米豪が最も選択したのは「自然観光地を訪れる」です。
    いずれにせよ、地方では「温泉」「自然を感じる観光地・アクティビティ」が重要なキーワードとなりそうです。

     

    インバウンド旅行客から見る日本の4つの魅力「食事」「治安」「買い物」「宿泊施設」

    最も訪問したい国・地域の「訪問したい理由」を項目毎にみると、日本は、「食事の美味しさ」「治安の良さ」「買い物」「宿泊施設」が高く評価されています。

    また、「行きたい観光地や観光施設があるから」「清潔だから」「体験したいツアーやアクティビティがあるから」の項目でも日本はベスト3に入っています。

    サンプル数:台湾(n=252)、韓国(n=430)、日本(n=1,605)、インドネシア(n=95)、マレーシア(n=73)、シンガポール(n=190)、オーストラリア(n=323)、ニュージーランド(n=287)、アメリカ (n=350)、イギリス(n=172)、イタリア(n=142)、フランス(n=131)、スイス(n=236)、中東諸国(ドバイなど)(n=140)、アフリカ諸国(n=45)

     

    アウトドアアクティビティ、サステナブルな取り組みは単価もUP

    コロナ禍で意識が高まったアウトドアアクティビティについては、ウォーキングや登山は、国籍を問わず体験ニーズが高いままです。
    欧米豪で実施率が比較的高い「ハイキング」「サイクリング」は、訪日旅行でも体験ニーズとして需要が高い傾向にあります。

    また、雪、植物、森林、フルーツ、動物、星、空、農山漁村などのアウトドアアクティビティへの関心も高まっていて、これらはインバウンドでの活用価値の高い地域資源であると言えます。
    アクティビティなどの体験価格も上がっており、1名あたり2~5万円するような商品も売れているようです。
    特に冬の季節はスノーリゾートの関心が高くなります。このことから観光庁もスノーリゾート地域の活性化に向けて力を入れています。
    (観光庁:https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/snowresort-kentou.html)

    また、サステナブルな取り組みへの関心は、高収入層での意識が一層高い傾向にあります。
    旅行者はゴミの削減等、地域へのネガティブな影響の軽減だけでなく、地域の特産品購入等、地域へのポジティブな影響に貢献する取り組みを重要視します。

    ※ 収入層の区分は、各国・地域の回答者を世帯収入順に3分の1ずつに分け、上位層を「高収入層」、中位層を「中収入層」、低位層を「低収入層」と区分したものである
    ※「サステナブルな取り組み」とは、地域の「自然や生物多様性の保全等」、「伝統・文化の保存・継承」、「地域経済の活性化や地域づくり」の保護と貢献への取組とする

    インバウンド旅行客が宿泊施設に求めること

    ここまでのデータで、観光におけるインバウンドの傾向や需要が見えてきました。
    では、宿泊部門では何が選ばれ、何が求められているのでしょうか。
    宿泊施設にフォーカスして傾向を探ってみましょう。

     

    宿選びで重視するのはWi-Fi環境が整っているか

    宿泊施設を決める際に重視することは何かという質問に対して、最も選択率が高いのはアジア、欧米豪共に「Wi-Fi環境が整っていること」でした。
    アジアでは「ウェブサイトからの予約」「ウイルス対策」「アクティビティ、食事、移動手段のサポート」を欧米豪より重視し、欧米豪では「食事の有無や食事場所の選択ができること」「地域の伝統や文化に触れ理解を深める機会」をアジアより重視する傾向があります。

     

    地方での困りごと1位は多言語表示の少なさ

    地方で困ったことは何かという質問に対して、アジアでは「多言語表示が少なかった、わかりにくかった」が1位となりました。アジアは欧米豪と比べ、「多言語表示のわかりにくさ」「Wi-Fi整備」「ゴミ箱の少なさ」の選択率が高く、特に「多言語表示」の選択率では、上位7位がアジアの国・地域となっています。

    欧米豪ではアジアと比べ「ツアーアクティビティの情報や予約」の選択率が高く、特にアメリカやフランスで選択率が高い傾向にあります。アクティビティのあるエリアの施設様は、英語の言語対応はしておきたいところです。

     

    キャッシュレス決済の利用意向が主流

    インタクトコミュニケーションズ株式会社が中国本土在住者を対象に行った「日本旅行に関するアンケート調査によると、日本旅行での決済方法は「WeChat Payやアリペイ等の電子決済を積極的に使いたい」が43.3%、「電子決済、クレジットカード、現金の順番に使用する」が24.0%、積極的に現金を使いたいは13.9%という結果になりました。アジア地域の方は特にキャッシュレス決済の利用意向が主流になっていることが分かります。

    インバウンド集客にむけて宿泊施設ができる4つのポイント

    地域に今ある資源を発信する

    都心の買い物やレジャー施設を楽しんでいた人たちが、コト体験を求めて地方に流れてくるという傾向が見えてきているので、地方の宿泊施設様はこのチャンスを逃さず、準備をしておくことをおすすめします。

    例えば、歴史や自然など、地域の特色を活かしたウォーキングコースの紹介や健康や食を掛け合わせたウォーキングツアーとの連携等、地域に今ある資源を活かしてプロモーションをかけることがとても重要になってきます。
    都市型のシェアサイクルから、自然を楽しむレンタサイクリングまで、訪日旅行者がよりサイクリング体験をしやすくなるような設備環境の拡充や、「サステナブル」な取り組みの発信も非常に重要になってくるでしょう。

     

    多言語対応の拡充

    言語への不安が多く上がるのはアジア圏が多かったことから、英語表記の他にアジア諸国の表記もできているかもう一度見直してみましょう。
    アジア諸国向けの言語対応は一般的に中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語を押さえる必要があると言われています。館内案内やHPの多言語対応だけでなく、ツアーアクティビティの情報や予約の言語対応についても見直しておきたいですね。

    最近では、文字ではなくイラストで伝えるピクトグラムを活用した案内や、無料・有料の翻訳サービスも充実してきているので積極的に活用するのも手です。

    予約が好調になると比例して悩みの種となるのが人員不足。
    外国籍のお客様からの質問対応にもたつく時間を少しでも減らす為にも、事前に準備することで回避できる対策は積極的にやっておきたいですね。

     

    ▼翻訳・通訳サービス一例
    ・日本政府観光局(JNTO) わかりすく伝えるための情報発信素材ピクトグラムを活用
    https://www.jnto.go.jp/jpn/news/topics/20210226.pdf
    ・Google翻訳機能の活用 ・英文制作添削サービス
    ・三者間無制限電話通訳サービスYAXCEL(http://yaxcel.com/
    ・LINEの翻訳サービス
    ・多言語対応可能な客室タブレットCrotta(https://crotta.jp/

     

    Googleビジネスプロフィール上に情報を明記しておく

    宿泊施設を選択する際に最も重要視することとして、Wi-Fiやウイルス対策、食事場所の選択の有無等が挙げられていることから、それらの情報がネット上で正しく記載されているか確認をしてみてください。

    来館されてからのミスマッチを防ぐ意味でも、最低限、「出来ないこと」を提示しておくことも、リスクヘッジとして重要と考えます。
    その際、海外OTAだけでなく、世界中で見られているGoogleビジネスプロフィールでの情報記載が最も重要です。
    是非、チェックしてみてください。

    キャッシュレス決済の充実

    支払金額が大きくなる「旅行」では大金を持ち歩きたがらない人が多く、キャッシュレス決済のほうが現地で消費してくれる額も増える傾向にあります。

    世界では日本より圧倒的にキャッシュレス文化が根付いていることもあり、この項目は目をそらさず取り組むべきです。(日本人もキャッシュレス決済の利用割合が高まっています。)

    様々なキャッシュレス決済がある中で、どれを導入するか迷う場合は、王道のクレジットカード決済やアジアに強いQRコード決済(PayPay等)は積極的に取り入れたいところです。
    もし、キャッシュレス決済の導入が難しい場合は、予約サイト上の事前決済だけでも導入を検討してみてください。

    さいごに

    回復の兆しがみえてきたインバウンドの観光需要。
    訪日観光客の殆どは、日本の伝統的な文化や食事を目的に来ています。
    地方への関心も高く、都市部以外でも誘客できる可能性は大いにあります。

    英語を話せるかと聞かれたら日本人の多くは「I can’t speak English」と言って首を振りますよね。
    その返事を聞いて、英語圏の人は「話せているじゃないか」と不思議に思うのだとか。
    彼らは私たちが理想としているような、スマートな返答や完璧な文法は期待しておらず、実際の言語の壁というのは想像以上に低いのかもしれません。
    ジャスチャー、中学レベルの英語、翻訳機能を使って伝えたとしても、熱意と意味が伝われば嫌な気持ちにはならないはずです。

    2022年も残りわずか。2023年はインバウンド需要がアツいといっても過言ではありません。
    この波に乗り切れるように、インバウンド集客で今自分達に出来ることは何か探してみてはいかがでしょうか。

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